2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

問題の整理

あんとに庵◆備忘録のantonianさんのところで、靖国問題を次のように整理されておりました。 靖国の問題には幾つものキーポイントがあります。 1・英霊を祈る施設としての靖国そのものの是非 2・A級戦犯を祈ることの是非 3・首相が祈ることの是非 4・首相…

靖国問題の一区切り

ぼちぼち靖国のことを離れていろいろ書きたいなとは思うのですが(考えの在庫を大体一掃した気もします。また貯め込まないと語ることもなくなります)一区切りのところでちょっと整理を。

民族宗教と神道

神道は民族宗教に分類され、国家神道も靖国神社もこの範疇に入るでしょう。しかし歴史・社会・文化の型に日本人のエトスを求める場合、神道は確実にその部分ではありますがすべてではありません。この「民族」に関わるという点が、靖国の賛否に影響を強く与…

蛍の光

蛍の光が四番の歌詞まであるというのは、昨年まで知りませんでした。(作詞の経緯について詳しく存じませんが、二番までの馴染み深い歌詞とその後の歌詞が違う人の手によるという情報もないので、一応同じ方の作詞と考えます。) 蛍の光 窓の雪 書読む月日 …

自国嫌悪

「自己嫌悪」というものについて私が最初に説得力のある意見だと思ったのは確か岸田秀氏の著作の中のものでした*1。それを種に自分の中でいろいろ足したり引いたりしていますので、元ネタからはずれているかもしれませんが、今これについて思っているのは大…

自国嫌悪

やはり昨日書いたものはやめました。おそらく昨日出していたらいやな気分になっていたでしょう。久しぶりに賢い選択ができました(笑) で、全く違った方向から書いてみました。 (昨日の日記の冒頭で愚痴ったのはお許しください。どうにも気分が優れない一…

酒と神様の話

日本では、酒は「御神酒(おみき)」で神様の飲み物でした。 私は「さけ」の語源として(神)饌「け」に美称の「さ」がついたものだという説が一番もっともらしいと思っています。 (ということは前にも書きましたが、少しその続きを…) はるか昔の神道の祭…

酒と神様の話(つづき)

今日の日記で下書きを書いていたものがあるのですが、どうにも攻撃的で結局一晩寝かすことにしました。あまり他者を責めても、後悔するときがありますので。 一晩寝かせて、朝になって考えてみて悪くなかったらアップします。ということで今日はつなぎの話を…

不許葷酒入山門

くんしゅさんもんにいるをゆるさず 禅寺の入り口近くの石柱によくこの文字がみられます。確か落語の『蒟蒻問答』で出てきたと思いますが、あれは問答を主題にした噺なので臨済宗ですかね。葷はニラやニンニクのような臭みのある植物を指します。一般に精力を…

靖国と宗教

最近私はある意識調査をいたしまして、対象となる方々(標本数は400弱)に「あなたには信仰心はありますか」と尋ねたところ「ある」とされた方が23%おられました。しかし同じ対象に設問で「死んでも意識は存続すると思いますか」と尋ねたところ、「どちらか…

靖国と宗教

あまり大上段に「宗教とは何か」を語るのも気が引けますので、搦め手からじわじわと書きたいと思います。やはり靖国を考える上でこういうことを話す部分は必要ということなのでしょう。今日は私用があり午前中お休みをいただきましたので、私用以外の時間で…

Dr.マッコイのお話を受けて

id:drmccoyさんに今日のエントリーで強力なエール(笑)を送っていただきましたので、少々書かせていただきます。ごく普通に今の日本で暮らされている方の「宗教」の受け取りかたとして、こういう具合なのだろうなと興味深く読ませていただきました。おそら…

首相は個人の信条で靖国参拝と…

小泉首相は20日の参院予算委員会で、自らの靖国神社参拝について「大局的見地に立って参拝している」と述べた。公明党の神崎代表が19日の記者会見で「もっと大局観に立った行動をしてもらいたい」と批判したのに反論した。首相は「総理大臣の職務として…

目にみえないもの

?何故人は、目に見える物ばかり信じ、目に見えない物を信じないのでしょうか? はてなの質問です。まだ動きがないので、トラックバックは打たないでおこうと思います。 まる三日以上、最初から一つも回答は閲覧されてせんね。30名近くが回答しておられますし…

金玉均

今でこそ忘れられかけていますが、李氏朝鮮にも親日派の人物がいました。もちろんそれは「売国奴」みたいなおかしな意味ではなく、日本を評価し、日本と結ぶことによって朝鮮を変えていけると考えた人です。歴史のいたずらで今の韓国での評価は極めて低いと…

金玉均を知っていますか?

突然、「開化派指導者」金玉均の墓が強制移転の危機 などというニュースが降って湧いたように出てきましたので、以前に書いたもの*1を記しておきます。意外にみなさん金玉均の名をご存知ないようにも思われますので。 それにしても彼が誰に殺され、遺体がど…

「孔叢子」の件 その後

たまたま拝見したのですが、「日々不穏なり」2005年05月19日の記事「罪を憎んで人を憎まず」考で、yasukichi氏が出典を調べられて考察されています。 すばらしい。参考にさせていただきます。詳しくはそちらへ… それにしてもすぐに八重洲ブックセンターあた…

両班とは

知り合った韓国人留学生の何人かは自分の家の過去を「両班(ヤンバン)」であると語っていました。でも最初にこの語を聞いた時には全く知識がなく、そういわれても何の感慨も湧きませんでした。 李朝の政治システムはChina王朝の制度に由来します。絶対権力…

被害を主張する人々

社会ニュース 更新日時 : 2005年05月18日(水)16:19 (朝日新聞) 2005年05月18日(水) サハリン残留朝鮮人 来日の2世、補償を訴え サハリン残留朝鮮人2世で現地の「新高麗新聞」の名誉社長、成点模(スン・チョンモ)さん(74)と妻の金梅子(キム・メージ…

孫孔鮒??

16日の日記で、小泉首相の「罪を憎んで人を憎まず」の出典が『孔叢子』であることを調べて書きましたが、おそらくその時点でのgoogleでヒットした最も詳しく日本語でその言葉を紹介するサイトで、次のような記述がありました。 孔子の九世の孫孔鮒(そんこう…

ゴジラと英霊

靖国神社に祀られる戦死者の方々と「御霊信仰」とに重なる部分ありとして語られるサイトをいくつか拝見しました。なるほどそういう視点もあるでしょう。興味深く読ませていただきました。 私は、先の大戦で亡くなった兵士の方々のことを考えるとき、いつもず…

5月18日(水)付朝日新聞社説

「靖国参拝 孔子は嘆いていないか」 「どの国でも戦没者への追悼を行う気持ちを持っている。どのような追悼の仕方がいいかは、他の国が干渉すべきでない」「A級戦犯の話がたびたび論じられるが、『罪を憎んで人を憎まず』は中国の孔子の言葉だ」 小泉首相は…

ナショナリズム4

猫は自分勝手にすべき? 私は猫よりも犬が好きかなとは思いますが、猫も決して嫌いではありません。とはいえ猫好きの方に比べれば、猫と付き合うことの楽しさを低く見ていると思われるでしょう。 さて良くも悪くも猫の行動の特徴として、自由気まま(悪く言…

ナショナリズム3

「〜人」は〜である 昨日はこの言い方について主に述べました。普通に語られる一つの表現なのですが、実はそこに二通りの用いられ方があるのではないかというのが考えたことでした。 二通りのものとは、一つは定義となるようなもの、もう一つは代表的な属性…

罪を悪んで…

「靖国参拝 干渉すべきでない」というニュースの見出しを見て、小泉総理絡みでまた何か…と記事を読みました。NHKのニュース記事です。 この中で小泉総理大臣は、中国などが靖国神社への参拝を取り止めるよう求めていることについて、「中国からは、反省を行…

ナショナリズム2

一昨日の日記ではとりあえずまとめてしまったのですが、すっきりした感じもありません。まだまだこれは考えをいたさなければならないところが多くありそうです。今日はさらっと少し続きです。 国籍 憲法第10条に「国民の要件」というのがありますが、そこに…

林の中の象

孤独に歩め。悪を為さず。求めるところは少なく。林の中の象のように。(イノセンスより) 午前中、久しぶりにDVDで押井監督のイノセンスを見返しました。そしてこの作品が、いろいろな箴言や古典の言葉が満載だった(ある意味ペダンティックだった)ことに…

ナショナリズムについて

ナショナリズムはもともと「民族」が独立国家を目指す過程で成立するものでした。「民族」という理念の下に国家を形成する、その構築のエネルギーとして、ファナティックな力をも発揮するナショナリズムという現実的な神話が必要とされたのです。その意味で…

ナショナリズムについて

近年そのつもりは無くても、中国や韓国の人々やメディアの主張を聞いているうちに、自分が自然に「民族的」というか「国」を意識したり、あるいはそれを背負ったりした意見になってしまうという経験が、少なからずあるのではないでしょうか? ある面、脆弱に…

 悪意の出し方

私はわりにすぐかっとなる方なのですが、残念ながらその怒りを攻撃的に相手にぶつけるのにはちょっと時間がかかったりします。鈍くさいと申しましょうか、その何がしかの危機的局面が終わってある程度時間をおいてからなら、いくらでも相手に対して言ってや…