2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

知識と知恵

私は知識というものは体系化を志向するものだと考えています。そしてその知の体系に何某かを加えるものが学問といわれる活動ではないでしょうか。 これに対して知恵というものはその場、時宜、事案に応じた知の使い方、応用、機転の働きを主にいうもので、知…

学生の客意識

⇒博士課程の学生からみた大学と大学院がクソな理由 いろいろ言いたいことの一部でしょうから、全部にどうこうではなくて目にとまった部分だけ… そういった教育がなされている一方で、学生は(少なくとも自分は)純粋に自由に勉強がしたいと思っている。非常に…

ひどい授業

「先生の講義は14回目ですが、そのうち10回は休講でした。法的に対応することはできませんか」 「わが子と同年代の学生たちの前で、夫婦の夜の生活についてあれこれ話すなんて…」 「あの先生は講義中に携帯電話で話したり、メールのやり取りばかりです。講義…

哲学

つまりそもそも哲学というもの、その歴史的な狙いからいって凡ゆる学の中での最高で最も厳密であるところの学、ほかならぬ純粋で絶対的な認識(そしてそれと不可分に一緒になっているが、ほかならぬ純粋で絶対的な評価と意欲)に対する人類のたえざる念願を…

背骨問題2

梅原猛氏が大学院の時、一切引用なしの論文を書いたという話を聞いたことがあります。梅原氏は「自分は哲学がしたいのであって、哲学者の研究がしたいわけではない」という主張だったといいます。例の「背骨の入った学生」の話について最初に自分に思い浮か…

「内面」の神話

神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世の逸話 様々な言語が飛び交うパレルモで育ったフリードリヒ2世は、人は自然には何語を話すのか疑問に思い、生まれたなりの赤子を集めて一切話しかけずに育てたところ、いずれも死んでしまったという。 (wikipedia日本語版) …

岩佐又兵衛

昨日、BShiで「夢の美術館 江戸の名画100選」の第一回を見たのですが結構面白かったです。(正月の番組の再構成だそうですがそちらは未見) で、その中で大和絵の岩佐又兵衛が描いた「山中常盤物語絵巻」(重文 MOA美術館蔵)が紹介されていて、まあ何と言い…

自分がやられて嫌なこと

「自分がして欲しいことを相手にする」というのは時々いらないおせっかいにもなりかねないもので、好みや願望が人それぞれであることを考えると、これは「自分がやられて嫌なことは相手にしない」という若干消極的な姿勢にしたほうが(より)普遍性はありそ…

背骨問題

増田 ⇒ 大学院の教授がクソだと言われる一つの理由 これを読んで、deztecさんの ⇒ 大野左紀子さんをコピペレポート問題から解放する(かもしれない)授業案 を思い浮かべました。 たぶん問題点は似ていると思います。「自分で考える学生」「背骨がしっかりし…

クリントン長官の訪日・訪韓時の服装

クリントン長官、韓国で赤、日本で青を着た理由(中央日報日本語版) というのがありました。この記事では、 ヒラリー・クリントン米国務長官は今回の訪韓中、すべての公式日程に赤のジャケット、黒のズボン姿で現れた。 これに対し日本訪問中は青のジャケッ…

石清水八幡宮

最近話題を集めた記事に『徒然草』の第五十二段をあげて次のようなことが語られていました。 大学時代の恩師が、こんな話をしていました。 … まずそもそも、 「この時代の石清水ってのは、言ってみれば観光地だ。みんな遊びに行くところだ。 そこへ 『みんな…

景気刺激派ついに破る

開府以来およそ百年、八代将軍に吉宗をいただいた頃の江戸幕府の財政はほとんど枯渇し、大名や旗本の窮乏も深刻なものであった。この深刻な経済危機に対して吉宗が取った政策は勤倹、つまり徹底的に倹約に勤めるという方向のものであり、それで足りないとこ…

システムとしての大学(院)

不適切な指導で大学院退学、学校に慰謝料30万円支払い命令 浜松大大学院(浜松市北区)で指導教授から適切な指導を受けられず、単位を取得できずに自主退学に追い込まれたなどとして、浜松市内の30歳代の夫婦が、同大学院を運営する学校法人常葉学園を相…

心は複雑

id:koisuru_otoutoさんのとこからトラバきてますが(ブコメに反論とのこと)、人の心ってそんなに単純に言えるものじゃないのでは…と言いたかったブコメでして、いただいたレスポンスにそんなに積極的に反論しようという感じじゃないんですが…少しだけ。 決…

中川大臣が辞意を表明したそうですが

もしかしたら言い間違いの件といい、何らかの疾病を疑うべきなのかもしれません ⇒ アルコールが脳に与える影響*1 1日2合以上の飲酒群で有意差 飲酒量と脳萎縮の関係を見ると、非飲酒群(827人中27%に脳萎縮有り)と1日1合以下の群(脳萎縮は24%)…

不幸自慢

竹本:あ…えっと。いえ…。ぼくは…。自分を探しに出たわけでは…。ただ…何となく、何ていうか、つい…。どこまで走れるのかなぁって思って…。就職もなかなか決まらなくて。それ以前に、自分が何にむいているのかもわからなくて… 六太郎:けっ ばっかじゃねーの…

こういうセクハラも…

権力関係にあるものではないと言いますか、普通なら弱者とみなされそうな側から行われるハラスメント。まだ記事が残っていましたので。 ⇒ホームヘルパーの4割がセクハラ被害(読売新聞 大手小町>ニュース) ホームヘルパーに対するセクシュアルハラスメン…

ハラスメント2

ある行為がハラスメントだという声が上がった時、もしかしたらそれに対して「それにあたるものには思えない」という感想があがることはあるでしょう。情報が限定されているならなおさらです。たとえば先日の京都外語短大でのアカハラ譴責問題、 … 大学による…

ハラスメント1

路上や建物に大きく書かれた文字や絵、電車の窓からも良く見られるようになったのは90年代の半ばあたりからだったでしょうか。あれはグラフィティだ、エアロゾールアートだと芸術性を説かれる人もいますね。前衛芸術方面に明るいわけではありませんが、絵…

ハラスメント 追記 

こういう記事を読みました ⇒「受け手がセクハラだと受け取ったならセクハラ。んな馬鹿な。」(the deconstruKction of right) 「受け手がセクハラだと受け取ったならセクハラ」ということは、その本人が嫌といえばそうなるという、痴漢冤罪に非常に近いし、…

教員が断定口調で語るのは

某ブロガーで教師と名乗っておられる方の口調を、断言するのは先生の職業柄なのかねと慨嘆する記事を読みました。おそらく違うんじゃないかと思います。といいますか「先生は断言する(ものだ)」が仮に真でも「断定口調は先生であるからだ」は真とは限らな…

イスラムの「聖職者」

建前だろうという方もいらっしゃるかもしれませんが、私の理解ではやはりイスラムに聖職者はいないと考えています。ウラマー(ulamā)を聖職者と見るのは、特にシーア派においてそうとしか見えない時もありますが、せめて「聖職者」という言い方は控えて「宗…

DEXTER

まじめにはまってます、『デクスター』。シリアル・キラー(連続殺人鬼)が主人公のドラマなんてと見る前は際物みたいに思わないでもなかったのですが、見てみると個人的に凄くひきこまれました。第一シーズンの再放送が佳境に入っています。 2006年の放送開…

デクスターを見るなら

何かタイアップみたいでこそばゆいのですが(笑)『デクスター』はちょうど明日からレンタル開始とのこと*1。 こういうアメドラは吹き替えでもいいとは思うんですけど、最初に字幕で見ていると吹き替えのイメージの違和感にちょっと戸惑うものですね。上のサ…

マスクの話

ブックマークで見つけたんですが「マスクで風邪予防って実はあまり意味ない?」っていうツカサネット新聞の記事。それほど大仰なことも言っていないもので、マスクは風邪予防にあまり役に立たないよっていうそのまんまのことが書かれているものです。 類話は…

オバマ候補に対してあった噂と偏見

次の引用は林壮一『ドキュメント 底辺のアメリカ人 オバマは彼らの希望となるか』(光文社新書)からのものです。このインタビューが行われたのは昨年の6月のはじめ、まだ民主党の大統領候補としてオバマとクリントンがつばぜり合いを繰り返していた頃のこと…

禁欲

高山寺の明恵上人の人となりが語られる書籍では、ちょっと枕詞のように「本当の清僧であった」「日本では確かに生涯不犯の清僧といえる人はほとんどいない」というような文言を目にします。(場合によっては「歴史上国内で清僧と言えるのは三名ほどしか…」な…

クリアリー神父の話

昨日視聴した"The Father, the Son & the Housekeeper"は、思った以上にクリアリー神父(と息子のロス君)などの個人的な側面に焦点をあわせたもので、第三者といいますか一般の人がどう思ったかとか聖職者の醜聞に対してどういう感想があるのかなどといった…

きっかけ

たいていの場合何かのファンになる、何かが気になってくるような時、その始まり=きっかけにはあまり意味がありません。むしろ何かに自分の喜怒哀楽が結びつけられているのを「後から」自分で意識するようになって、その時にきっかけが(遡及的に)思われる…

ある神父の秘密

今日金曜の午後9:10から、NHKBS1の世界のドキュメンタリーである神父の話が放送されます。 庶民的で献身的、カトリックの禁欲主義に従ったクラリー神父。ローマ法王がアイルランドを訪問した際には出迎え役を務めるほど、アイルランド カトリック教会でのク…