檸檬の丸善

 丸善と言えば、こういう記事がありました。


 老舗書店の丸善『檸檬』1000冊の別れ

閉店する京都河原町店 梶井基次郎の小説に感謝


 大正期に活躍した作家、梶井基次郎の小説『檸檬(れもん)』にも登場する京都の老舗書店「丸善」の京都河原町店(京都市中京区)が今月10日で閉店する。店内に『檸檬』の文庫本1000冊が積み上げられ、「丸善ファン」らが買い求めている。


 横浜で創業した丸善は、明治5年に京都でも営業開始。大正14年発表の『檸檬』に登場する丸善は、現在地とは異なる三条麩屋町(現・中京区)にあったとされる。


 小説では、「えたいの知れない不吉な塊」を抱え、京都の町をさまよい歩いた主人公が「最後に立ったのは丸善の前だった」と記され、手にしていたレモンを美術書の上に置き立ち去っていく。この小説で丸善知名度は全国区になった。


 しかし、丸善が全国の自社ビルを売却する方針を打ち出した中に、京都の店も含まれていた。4月に閉店が決まったあと、『檸檬』の売り上げは徐々に上昇。8月には、積み上げた本の上にレモンを載せた絵柄の記念スタンプを作製し、押印ができるようにしてからは、大量購入する人も現れ、1日50−70冊が売れる日もあり、在庫も底をついた。
(後略)


産経新聞【2005/10/01 大阪夕刊から】

 確かあの丸善は一階が輸入洋品売り場とかじゃなかったでしょうか。河原町丸善が『檸檬』の丸善と場所が違っていたというのは知りませんでしたね。それにしてもスタンプとは商売上手。
 ただ『檸檬』自体にそれほどの思い入れはないですから、もしあの丸善に今日明日に行けたとしても私は多分文庫本は買わないと思いますけど、それでもほんのちょっと残念という気はあります…