「日本のせいでアジアには多くの“めぐみさん”がいる」について…

 韓明淑首相、日本経済新聞とインタビュー


 韓首相は横田めぐみさんをはじめとする北朝鮮による日本人拉致問題について、「日本の関心と努力を十分に理解している。アジアには今でも(従軍慰安婦など)過去の日本の行為によって本人の意志とは関係なく強制的に動員された数多くの“めぐみさん”がいる」と話したと、日本経済新聞は報じた。

朝鮮日報 8/05)

 このニュースに関しては、概ね産経の黒田勝弘さんの記事で言い尽くされていると思うのですが、最初に見たときは無理解に私も気分が悪くなっていました。


 それでちょっとあちこち見て回り、以下の記事を見つけて少しばかりクールダウンしていたのです。
The Marmot's Hole, August 5th 2006


 She also had some unkind things to say about Japan's intense interest in the North Korean abduction issue. She said she fully understood Japan's interest and efforts concerning the abductee issue, but she noted just how Yokota Megumi was abducted to North Korea against her will, Japan historically did the same thing in Asia with its forced mobilizations. She said that throughout Asia, there are many “Megumi”s thanks to Japan's past actions.

 彼女(訳注:韓首相のこと)はあといくつか北朝鮮拉致問題についての日本の強い関心について、不親切なことを語っています。自分がこの拉致問題に関する日本の興味と努力を完全に理解しているとしながら、彼女はまた横田めぐみが自分の意志に反して北朝鮮に拉致されたことについて、日本は強制動員という形でアジアにおいて歴史的に同じことをしたと注意を喚起しています。日本の過去の行動によって、アジア中に多くの「めぐみ」たちがいると彼女は言ったのです。


Marmot's note: Shame Han had to screw up relatively sensible criticism of Japanese visits to the Yasukuni Shrine with an asinine comment about Yokota Megumi. As far as I know, all those Megumis to whom Han referred are free to leave Japan anytime they choose. In fact, one sometimes gets the feeling that many Japanese wish they would.

マーモットの一言:このみっともない(恥ずかしい)韓首相は、横田めぐみについての愚かなコメントによって、日本人の靖国参拝に対する比較的穏当な批判をまったく台無しにしてしまいました。 私の知る限り、韓首相が言及したそれらすべての「めぐみ」たちは、自分たちが望めばいつでも日本を離れることができます。 実際のところ、多くの日本人がそれを望んでいるのではないかと時々感じるぐらいです。


 このブログ「The Marmot's Hole or: How I Learned to Stop Worrying and Love Cheonggyecheon」は、在韓の31歳のアメリカ人(Robert J. Koehler)によって書かれています。彼は韓国に十年も住み、やれやれと時々思い突っ込みを入れながらも韓国に愛着を持つ知韓派の方だと私は理解しています。ここのところは産経の黒田さんと同じだと見えます。
 そういう知韓派にして、このような皮肉のたっぷり効いた突っ込みを入れざるを得ないのが韓首相の「恥ずかしい発言」であり、第三者的に見ればやっぱりおかしいんだとクールダウンした次第です。


 この記事に対してのコメントでも、

 悲しいけれどまったくその通りです。韓国がしなければならないことの一つは問題を切り分けるということですね。だって韓国のメディアや政治家によって何か議論になるときはいつでも、過去2000年にわたって酷いことをされてきた「傷つけられた国」という含みが何につけ絡められて、議論が薄くされるのが常だからです。だから独島議論でも、韓国の主張の歴史的正統性と日本の主張の非正統性に焦点があてられるというよりはむしろ、いつも日本の「帝国主義的侵略」への言及にすべっていってしまっています。そして問題がアメリカの不品行の話になれば、ほとんどいつもそれは、そもそもアメリカが半島を分割してしまったんだという話への言及になってくるのです。(後略)
アメリカ人 Zonathのコメント)

 などのように、いつでも何でも“Japan/The US/China/The World done us wrong.” (日本/アメリカ/中国/世界が私たちに間違ったことをした)という調子で人の所為にしてばかりいる韓国(メディア・政治家)の悪い癖が皮肉られています。 まったくもって同感です。そしてこういう風に思われてしまえば、韓国の主張や思いが伝わらなくなってくる…結局彼らに不利になる…ということに彼らが気付くのはいつのことでしょう。歴史問題や被害者意識の安売りは、黒田さんも言うように決して良いことではないのに…。