スピリチュアルの流行
これを「他者問題」と絡めて語っているエッセイをたまたま読ませていただきました。お医者さんの業界紙みたいなもので連載ということでした。そこではスピリチュアル関係のもののブームを
他者と関わりたくないけれど他者に承認されたい
というアンビバレントな態度(を持つ者が多いからでは)というところでまとめていました。
どうなんでしょうね。ブームを語るということは非常に現在を語るということに密接に関わりますが、同時に場合によっては現在の状況だけで説明するのが危ないと思われるところもあると考えます。
オカルティックなものの流行だとかスピリチュアルブームだとかいうものにはこの側面も強く、今までも何度も何度も類似のブームがあったり、注目を受ける状況があったものと思いますのでこれだけで説明というのは(それが可能なようにみえても)危ういのではないかと感じました。
たとえば10〜15年程前で言いますと、その当時も書店では「精神世界」コーナーが増殖していて、それに対しては「世紀末」の雰囲気だとか何とかというあたりが流行の説明としてまことしやかに語られてもいたと記憶しています。その時点ではそういう説明も「もっともらしい」と受け容れられていても、それは一過性の(一つの)条件ということで今はもう妥当性をほとんど持たないでしょうし。
上記引用のエッセイの主要ポイントも、果たしてそれは何か現在に対する筆者の認識というものに左右されてはいないだろうかとふと考えてしまいますね。それなりに面白いお話ではありましたが…