少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」OPナレーション2
第二回「ケン・ソゴルの謎」
SE「ギ〜〜ッ(扉の開く音)」(揺り椅子に座ったシルエットの男が語り始める…)
1901年、8月10日。
ヴェルサイユ宮殿を見物中の二人の女性…
シャルロッテ・モーバリーさんと、エリノア・ジュールダンさんが、不思議な体験をしました…
つまり、生垣の中の細い道を歩いているうちに、全く別世界に入ってしまったのです…
あたりを歩く人はすべて中世の服装をしており、歴史の本で何度も見たことがあるマリー・アントワネットが、日傘をさして確かにこっちへ向かって歩いてくるのを見たのです…
数時間後…
気を失って倒れている二人は、ヴェルサイユ宮殿の守衛に発見され、パリの新聞ル・モンドは、不思議な謎として記事にしました…
常識では理解できないような不思議な出来事が、たった今にも起こるかもしれないのです…
しかも…
あなたの身近なところに…
(テーマ音楽)
芳山和子。中学三年生。
理科室で、フラスコに入った不思議な液体の匂いを嗅ぐまでは、ごく当たり前の少女でした…でも今は…タイム・トラベラーとしての超能力を持っています…
それが、どんな働きをする能力なのかは、彼女自身、よくわかっていないのですが…
(ナレーション:城達也)
少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」OPナレーション3
第三回「テレパシーの謎」
SE「ギ〜〜ッ(扉の開く音)」(揺り椅子に座ったシルエットの男が語り始める…)
1832年、11月3日の夜…
フィリピンのマニラに住む、アルバータ・スミトロさんは、突然息子エドゥアルドの悲鳴を聞いて寝室に駆けつけました。そして、信じられないような光景を見たのです。
というのは、10歳になるエドゥアルドが、その部屋の壁の中に消えかけていたのです。
急いで引っ張ろうとしたが駄目でした。
息子の姿は完全に消え、どこを探しても見つかりません…
ところが、夜が明けて見ると、息子はちゃーんとベッドに寝ているのです。そして言いました、
「死んだお母さんが壁の中から呼んだから、ぼく行ったんだ。でもそれからどうなったか、ぼく憶えていないよ」
人間の知恵では測り知れないようなことが、たった今にも起こるかもしれないのです…
しかも…
あなたの身近なところに…
(テーマ音楽)
中学三年生、芳山和子。
今や彼女にとって、考えられないようなことが彼女の周囲に起こっているのです…
和子は、クラスメートの深町君の家を訪ねました。しかし深町君のお母さんとばかり思っていたこの人は、はっきり言ったのです、
「何かの間違いじゃないかしら? 中学生なんかいませんよ。主人とあたくしと二人暮しなんです。子供なんかいないのよ…」
「そんなばかな…」
(ナレーション:城達也)