マンションではなくアパート
「何か悪いことしました?」「退職金あてにマンション買ったのに…」 橋下知事、大阪府職員労組と団体交渉(痛いニュース)
で紹介されていた産経の記事で、
また、今年定年を迎える男性職員は「退職金を見込んでマンションを買った。自分なりに地方自治を考えて前向きにやってきたが、しっぺ返しをされた思いだ。後出しジャンケンと一緒。退職金のカットは懲罰的だ」と強い口調で訴えた。
とあって、これが相当に感情的反発を引き起こしていたのですが、正確にはこの方が買ったのはマンションではなかったはずです。これは昨日の日テレの報道で見ていましたが、そこでは
(退職金を見込んで)アパートを2,140万円出して買った。来年は息子も高校を卒業するし大学にも行かせてやりたい。これでは全然計算がおかしくなってしまう…
というように自分の窮状を訴えていたのです*1。
マンションでもアパートでも本質にはかかわらないのですが、どれだけ脇が甘い発言かと思いました。
でもこの部分を他のメディアが伝えていたようには思えません。
発言のこの部分を伝えるか、それとも
今年度で定年退職を迎えるという別の男性職員は、退職金が今年度から5%削減されることを「後出しじゃんけん」と批判。「42年間、私なりに前向きに仕事をしてきた。最後のしっぺ返しがこれかと。後出しじゃんけんが悪いことは子どもでもわかりますよ」と怒りをぶつけた。 (asahi.com)
というように伝えるかで印象はがらっと変わってきます。メディアっていうのは怖いなと思いました。
それにしても交渉の場を公開するという橋下知事の戦術は巧妙です。自分が何もしなくても「敵失」でどんどん加点されるのですから。
追記
中国地震:レッドカーペットに憤慨した胡錦濤主席(朝鮮日報日本語版)
四川大地震の発生から6日目の5月17日。救助作業を指揮するため、胡錦濤国家主席を乗せた特別列車が被災地のある都市に到着した。列車から降りようとした胡主席は足元にある何かを見て驚くと、列車を前に進めるように指示した。列車が10メートルほど前に進むと、胡主席はやっと列車から降りた。
胡主席が目にしたのはレッドカーペット。
…
2日付台湾紙・聯合報は、「未曾有の災害が起きても地方の役人はごますりを忘れていなかった」と皮肉った。列車から降りた胡主席は「今は救助作業が最も重要な時期だ」という遠回しな言い方でレッドカーペットを敷いた役人をしかった。
少なくとも胡錦濤氏のほうが労組の人よりもメディアの怖さを知っているし有効に利用できていると思えます(当たり前ですが)。
*1:もしかしたらアパートにかけたお金は2,160万円だったかも