宇宙人に聞きたいこと

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 今はてなで「宇宙人に尋ねる10の質問」が募集されています。ちょっと考えようと思ったのですが、頭の中には小ネタしか浮かびません。どういう回答がでてくるのか、様子をみましょう。
 さてこの質問者の方は、カール・セーガンの以下の言葉を引いて、この趣旨を理解して応募して欲しい旨おっしゃっています。

 私はよく「私は宇宙人とコンタクトできる。何でも質問してください」という人から手紙をもらうのだが、「フェルマーの最終定理を簡単に証明してみてください」とか、ゴルトバッハの予想について尋ねても、返事をもらったことは一度もない。

 ところが「私たちは善良であるべきでしょうか?」といった質問をすると、ほぼまちがいなく答えが返ってくる。

 宇宙人にとって答えやすい専門的な質問には口を閉ざすのに、陳腐な質問には喜んで答えるのはなぜなのだ。

 現代人は答えを知らないけれども、正しい答えならばすぐそれとわかるような「宇宙人に尋ねる10の質問」を作ってみたらどうか。 (「カール・セーガン科学と悪霊を語る」p108)

 これを読んで思い出した話があります。


 ある時私の先輩が院生たちと連れ立って青森県の恐山に行きました。イタコが亡くなった方の霊を自らに降ろし、遺族に語りかけるというところです。
 しかしその先輩は超常現象とか霊とかを真面目に考える人ではちっともなく、意地悪にもイタコの人に次のように話しました。


「亡くなったエドムント・フッサールという先生と話させてください」*1


 するとイタコにフッサールが降りて、津軽弁で語りだしたそうです。はなから引っかけをやろうとするのはちょっと汚い手口です。少なくともイタコを信ずる方を蔑ろにするようで、いい話ではありません。でもこの話にはオチがあります。


 その先輩が笑い出すのではないかと心配していた周囲の友人は、意外にも真面目な顔の先輩をいぶかしく思います。どうしたのだと先輩に問いかけると「ま、こんなもんだよ」と複雑な笑顔で彼は何も語りません。後で聞くと、一瞬本物かもしれないと思えたそうで。


 その先輩がフッサールからかけられた言葉は…


 「もっと勉強しろ」というものでした。

*1:ちなみにその方は現象学会に所属されています