クリスマスのつれづれに

黄教授の件など

 もはや多くの人が知るようになった黄教授の論文捏造問題についてですが、日本の新聞社の社説にまで採り上げられるようになってくると私などが何か言うべきこともないでしょう。私も朝鮮日報中央日報などの韓国紙の日本語版で記事を追いかけていましたが、見ているのが辛い悲惨な話ですし、そろそろ食傷気味です。自国に都合の悪い話はあまり日本語版に載せない印象の東亜日報までトップで黄教授の話を載せてきましたし…。


 彼らの「英雄」の不正を暴くことができたという点では、当たり前のことが当たり前に(一応)できたということで評価しても良いと思います(もちろん当然のことでしかありませんが…一時はそうでもありませんでしたので)。ただ今後見たくないなと思うものは、黄教授に「騙された」と国やメディア、そして韓国民が大声を出すところですね。それはあまりにもみっともないことです。
 せめて騙されたことを黙って恥じ入るぐらいのことで遣り過ごし、捲土重来で科学の分野を発展させていくというぐらいのことができれば、それなりの国とも感じることができましょう。何もすべての韓国民が嘘をついたわけでもないですし、黄教授ぐらいの科学者はいくらでもまた出てくることでしょう。落ち込みすぎる必要はどこにもないのですから。


 黄教授は「自分にまず負けた」のでしょう。韓国の「行け行け輿論」のプレッシャーがかかっていたというところに同情はしますが、この分野の発展のため、韓国の科学が世界に追いつくためにはもはや舞台から去るしかないと思います。

サッカー

 「自分に勝つ」というのはよく聞く言葉ではありますが、今私の頭にあったのは「自分(たち)の力を信じて戦えば、怖れるものは何も無い」と語ったジーコ監督の声です。昨夜のNHKでのサッカー日本代表のちょっとした特集に感動しました(内容的には知っていたことが多かったのにも拘わらずです)。冒頭の部分は見逃してしまったのですが、途中からでも引き込まれました。バーレーン戦を前に、控えの三浦選手の声に皆が打たれたところなどは、録画しておきたかったとほんとうに思いました。
 ちょっと青臭いメンタリティーかもしれませんが、控えの選手の分まで戦うという気になってこそ、チームとしてはきちんとまとまって強くなるのだと私には素直に思えます。それだけでは絶対勝てる保証にはなりませんが、少なくともそのレベルを超えて先に進んでくれる日本代表は心強いです。


 再び感動させられたといえば、バンコクでの北朝鮮戦でスタジアムの外から応援していたサポーターの姿です。見るたび何だかじーんとしてしまいます。そのチームのゲームに心をわくわくさせて、勝敗に一喜一憂し、そうして心を動かし続けるとここまで感情移入できるようになるんだなと素直に感じ入ります。もはや彼らは日本代表の当事者なんだなと、そう感じます。

フィギュアスケート

 前代未聞の採点ミスが昨日ありましたが、何とも選手がかわいそうです。大会組織に関わる人たちは選手に心から謝って欲しいです。会見での態度はどうも衷心から謝罪するようなものには見えませんでした。自分の所為じゃないという気持ちがあれば、それは言動にどうしてもにじみ出るものです。織田君や高橋君を始めとする選手たちを腐らしてはいけません。大人ならそれがわからなければ…。


 今日の女子のフリーには大注目ですが、トリノを目指しての女子フィギュアスケートを題材にしたアニメが今朝方最終回を迎えました。テレビ東京などで放映の『銀盤カレイドスコープ』です。
 私がかつて見た中では最も性格の悪い(というか正直な?)ヒロイン、自称百億ドルの美貌を持つ少女、桜野たずさ(16歳)が、カナダ人の少年幽霊ピートに憑依され、二人でトリノを目指すというものでした。
 勝気で唯我独尊、生意気でそのくせ僻みっぽかったり、とにかく可愛げのないヒロインだったので却って興味を持って見続けていましたが、数話前からこれが「ツンデレ」というものかと何かわかったような気がしました。ここまで最凶のヒロインですから、おそらく「ツンデレ」度は今季最高だったかも…。
 幽霊などに憑依されて一つの身体に二つの意識が、という設定はめずらしいものではありませんが、なかなかコミカルに、また女の子の身勝手さもいやみが無くまた違和感も無く上手に表現されていて、絵柄はどうかと思う時もありましたが大変おもしろかったです。氷上の演技自体は絵が止まって見えるような感もあり、水準以下だと見えたのですが、後になってくるとアニメ的表現でうまくカバーしていて、ウェイトレス姿でコケティッシュに滑る見せ場の演技はなかなか見せてくれていました。


 この作品は脚本が良かったです。中でも高橋ナツコさんの回が私には合っていて、特にラス前の「第十二話キスアンドクライ」は光った台詞が多いように思えました。以下少しだけ抜粋します

ピート:(悩み憂い立ち止まりなんてことは、ぼくらにはあり得なかった。ただ行けるところまで行く。それだけを考えていた。)
ピート:もっと時間が欲しいね。
たずさ:まだ言ってるの? いいこと、残された時間を目一杯生きるなんて当たり前のことはとっとと卒業してちょうだい。私といるからには運命とか言ってないで、奇跡くらい起こす気でいなさいよね
ピート:(…ほんとうに奇跡が起こせるような気がした)


たずさ:はぁ〜(ため息)
ピート:お疲れ
たずさ:ほんとだわ。久々に筋肉痛よ。
ピート:マッサージでもいたしましょうか?マドモワゼル
たずさ:いつからスケベなフランス人に成り下がったの? この桜野たずさ様に触れるなんて百億年早いわ
ピート:じゃあ百億年後なら触ってもいいんだ。
たずさ:考えておくわ。
ピート:(死んで以来、初めて未来が楽しみに思えた…)


 トリノへ向かう機内にて
ピート:疲れてるね、実際。
たずさ:まあね。でもおかげでプレッシャー感じる間もなく飛行機に飛び乗れたわけで、考えようによっちゃラッキーだわ。
ピート:そういう嘘のへたなところはたずさの魅力の一つでもある。ま、僕にはバレバレだけど。最近の君は始終手のひらに汗かきっぱなしだった。プレッシャー以外の何ものでもないよ。
たずさ:おかげさまで新陳代謝は抜群なの。
ピート:(それに…震えてた…小さな手が…)


 ライバルの至藤響子が空港に見送りにきて
響子:ここは潔く私なりの筋を通そうと思って…。祝福しに来たのよ、信じる? もちろん、私の分までがんばってなんて言うつもりはないから
たずさ:まさかとは思うけど、これで引退とかくだらないこと言うつもりじゃないわよね?
響子:さあ? まだ決めてないわ。
たずさ:じゃあ、トリノでの私の演技をご覧なさい。意地でも辞められなくなるから…。
響子:腑に落ちないわね。あなたにとっては私が引退した方がやりやすいんじゃない?
たずさ:…悪役なしじゃ正義の味方は輝かない。その逆もまた然り。そういうこと。


 トリノのホテルで眠れないたずさ
ピート:羊が347ひき。羊が348ぴき。羊が349ひき。羊が350ぴき。羊が…
たずさ:ピート? ピート?
ピート:いるよ…ここに。
たずさ:羊は? 数の数え方を忘れたとでも言うつもり?
ピート:言わないさ。ただ目ぐらい閉じてもらえないと、眠れる羊もまぶたの裏に舞い降りてくれないんじゃないかな?
たずさ:怖いのよ、暗闇が…。 ほら、知らない土地だし、まくらも違うし…それに、匂いも、気温も湿度も、何もかも…。 眠れないわ、こんな部屋じゃ! 落ち着かないのよ! 鋼鉄の手で心臓を鷲づかみにされているようで…。
ピート:しーっ。 落ち着いて。良いというまで黙って…。 いいね?
    …落ち着いたかい?
たずさ:うん…
ピート:たずさ、眠ろう。明日のために。
たずさ:それが賢明ね。
ピート:ずっとそばにいるから。
たずさ当たり前でしょ。言ったはずよ。あんたは私と生きてるんだって
ピート:(また震えてる)
ピート:(今夜はまぶただ…)
ピート:(寝ていないのもバレバレだ)
ピート:(当然か…身体機能は共有してるわけだし)
ピート:(できることなら、まぶたを撫でてあげたいよ…。なぜこの手は君をすり抜けてしまうんだろう?)

 台詞だけではニュアンスがうまく表現できない部分もありますが、本当に最後の方になって面白かったアニメでした。
 さて、実際のトリノは誰が行くのでしょう? フリーの演技が楽しみです。