自虐?
こういう小糠雨が降り続くときは気持も落ち着くものですが、穏やかさを通り越して落ち込むことだってあります。さらに妙なことに、落ち込んだ気持をどこか望んでしまうといいますか、絶望が仄見える方へ自分の気持を引っ張るように辛かったときのことなどをわざわざ思い出してみようという気になる時すらあります。
たとえば小道具に使うのは『マリア様がみてる』の「レイニーブルー」とか、わりにわかりやすく心の傷口のかさぶたをじりじり剥がしてくれるようなそういうものだったりもします。体調が良ければ少しずつお酒を入れながら、どんより昔の痛い記憶を探ったり、悲しい別れを思い出してみたり、戻らぬ選択を「自分の所為だ」と後悔してみたり…
「レイニーブルー」はもう何かまさに付き合っていた人と終わる時のじりじりした感じ、何か挙動がおかしい、遠くに破滅が見えている、でも知らない振りをしよう、だけどやはり終局へ滑り落ちていくような皮膚感覚がする…そういう感じを呼び起こしてくれます(結局マリみての話の筋はその後逆転しますが)。何というか痛い気持ち。角を曲がると絶望が待っていそうな、自分だけ何もしらないでいるということに薄々気付き始めたような、そういう疎外感は秀逸です。
なんでこんな不幸に浸ってみるのが好ましく思われるときがあるのか知りませんが、そういうのが時々。
そして今、そちらへ行こうかどうしようか迷っているのですが、さてどうしましょうか…