不完全甘柿
知人から愛知産の「筆柿」というものをいただきました。小ぶりの、筆の穂先(というよりドングリ)の形のような柿で、熟した実は繊維がたくさんの茶色になっています。
この柿の包装に「不完全甘柿」という記述があり、聞いたことがないなと思って検索してみますと「種の数によって甘柿にも渋柿にもなる」というものだそうでした。
・完全甘柿=種子の有無にかかわらず熟し、甘くなるもの。富有、次郎など。
・不完全甘柿=種子の数が多いと、甘く、種子の数が少ないと渋くなる。西村早生、禅寺丸など。
・完全渋柿=種子の有無にかかわらず、常に渋いもの。蜂屋、西条など。
・不完全渋柿=渋柿ではあるが、わずかに種子が入ると、種子の周囲にゴマができて、その部分が甘くなるもの。平核無、会津身不知。
(甘柿・渋柿・柿のゴマ より)
こういう分類は初耳でしたね。
実家の敷地には渋柿の木が10本以上あって(たぶん完全渋柿)、祖父母が元気な頃はみんなで秋になると柿を落として、お祖母ちゃんたちが焼酎を振りかけて袋に入れ渋抜きをして食べていたものです。もう今は誰も手を付けずに鳥がついばむままになっていると思います。それこそ熊でも出るようなところ、限界集落と呼ばれるあたりでは柿をそのままにしておくと熊が里に下りてきてあぶないと言われるそうで、自治体の職員や有志が柿の木のあるお年寄りの家を回って実を落としてあげているとか。
田舎の景色として柿の木はいいなと思うのですが、趣味や嗜好が変わり人がいなくなると厄介者にもなってしまうというのはどうにも残念な感じです。