少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」OPナレーション5
第五回「タイム・ルールの謎」
SE「ギ〜〜ッ(扉の開く音)」(揺り椅子に座ったシルエットの男が語り始める…)
1932年。アメリカのある空港の上空で、レアード型という複葉機が見たこともないような飛行機と接触して墜落しました。
相手の飛行機がどうなったのかわかりませんが、墜落したレアード機はそのまま格納庫の隅にしまいこまれました。
それから28年後の1960年、まったく同じ場所で、軽飛行機がひどく古い型の複葉機と接触して、緊急着陸したのです。
パイロットは、接触した相手は確かに旧型のレアード機だと言い張りましたが、そんな飛行機が飛んでいるのを見た者は他には誰もいません。
念のために、格納庫からレアード機を引き出して調べてみると…
埃だらけの壊れた翼の部分には、最新のプラスチック塗料がこびり付いていたのです…
現代の科学では説明できないことが、今日にも起こるかもしれません。
しかも…
あなたの身近なところに…
(テーマ音楽)
(ナレーション:城達也)
少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」OPナレーション6
第六回(最終回)「タイム・エネルギーの謎」
SE「ギ〜〜ッ(扉の開く音)」(揺り椅子に座ったシルエットの男が語り始める…)
1951年、8月4日の明け方四時ごろ…
フランスの、英仏海峡に臨むディエップという町に住むドロシー・ノートン夫人は、騒々しい物音に目を覚ましました。
小銃や、機関銃や大砲を撃ち合う音。急降下する飛行機の音。爆弾の音…
あまりの恐ろしさに、ノートン夫人はパリにいる伯父さんに電話をしました。パリの伯父さんは、受話器を通じて確かに銃声や爆弾の音を聞きました。音は三時間ほどで消えました。
ノートン夫人は外へ出てみましたが何の異常もなく、相変わらずの美しい風景でした…
調べてみると、ここは、その時から九年前の同じ8月、第二次世界大戦でカナダ軍が上陸し、ドイツ軍と激しく戦った場所なのです。
ノートン夫人が聞いたのは、単なる幻覚だったのでしょうか…
幻覚が、電話線を伝わってパリへ届いたのでしょうか…
われわれの常識では何とも説明できない事が、今にも起こるかもしれません…
しかも…
あなたの身近なところに…
(テーマ音楽)
最終回
「タイム・エネルギーの謎」
ケン「どうしたんだ」
和子「お願い、ケン相談に乗って…」
ケン「うん」
(ナレーション)和子は、ケン=ソゴルに話しました。昨日のタイム・トラベルのこと。福島先生の結婚式のこと。山県先生のバス旅行のこと…
(試薬らしき液体を、試験管から試験管に直接移すケン)
ケン「そう…じゃ君は未来に行ったんだね」
和子「そうよ。今年の3月25日へ…」
…
(ナレーション:城達也)