道路特定財源について

 今、もしこの道路特定財源をワン・イシューの争点にして総選挙が行なわれるなら、私はずっと民主党に入れなければと思っていました。暫定税率の名のもとに導入した税の部分が、なし崩しにあと10年継続されるなんて「筋が通らない」とはっきり思うからです。
 この筋論だけで十分です。暫定税率が廃止されれば予算上困ることになる…というのは、予算策定時に「暫定税率廃止」のケースを考えなかった怠慢でしかありません。暫定税率が切れるならば、それをカウントしない予算を少なくとも他に考えておくべきですし、それをしなかったのは税負担者のドライバーなどを舐めてかかったとしか思えません。正直腹が立ちます。責任は予算策定に携わったあたりと政府がとるべきなのです。政権交代已む無しぐらいの重みがあることかもしれません。


 ただ、今日の道路特定財源についての討論を伺って、民主党もどうだかなあと思わないでもありませんでした。討論についての詳しいやり取りがsankei.jp.msn.comにあります。(これは本当にいい試みだと思います。裁判の傍聴録などについてもすごいと思っていましたが…)


 【道路討論1】麻生全国知事会長「暫定税率維持を」
 【道路討論2】菅氏「一緒に改革を」
 【道路討論3】東国原知事「道路特定財源の確保を」
 【道路討論4】逢坂氏「道路特定財源見直しは必須の課題」
 【道路討論5】菅氏「道路は平等性が担保されていない」
 【道路討論6】東国原知事「一般財源化した分を地方にくれるのか」


 この中で民主党
(1)道路特定財源制度の廃止
(2)暫定税率を廃止する
(3)地方の財源はしっかりと確保する
 という線で主張していますが、この(3)みたいな危ういことを言うから知事さんたちに突っ込まれているんです。与党が継続を言う以上、仮定のワン・イシュー総選挙では私はまだ民主党に入れざるを得ないのですが、こういう態度がどうにも信を寄せきれないと思う由縁でもあります。
 「心配するな…地方にはちゃんといわれているお金を渡すから」という案を出してどこにもいい顔をしようとするのは危うく思えます。ここは「ご無理をかけるかもしれないが、筋だから」という線を出して欲しいところでした。
 そして、逢坂議員の

 国民の皆さんが拳をあげて「増税賛成」といっているのはどうもおかしい。一般的に国民は増税に反対するはずです。

 なんていう発言は聞きたくなかったです。民主党有権者を舐めていらっしゃる。
 私は「筋」として暫定税率廃止を望みますが、もしその廃止の後でこれこれどうしても必要だからという納得する議論があれば、増税を唱えるのが与党であれ野党であれ投票しても構わないと考えています。それがたとえば「環境税」という形であってもいいです。だまし討ちこそが一番嫌いなのです。
 東国原知事

 一般財源化するとして、道路を使っている、車を使っているユーザーが車に関する税金を払う。これ道路特定財源を一般化したときに、車を使用している方たちがなぜ一般財源に払わないといけないのか。

 とおっしゃったのにはまさに同意。今の議論では受益者は国民みんなだという話になっていますよね。だとすれば「車を使っているユーザー」だけに「暫定」で税を負担させ続けるというのはまさに筋違いなはず。
 これに対して菅氏が

 「私も(福田康夫)総理と議論していると、車のユーザーの便益なんだから特定財源といわれる。それは1954年当時、特定財源ができたころであれば車を持つ人は極めて限られていた。今、車を持っている人の数だけでなく、車の便益を受けていない人を探す方が難しい。私は全国民が車の便益を受けていると思います。

 とおっしゃるので、ちゃんとわかっているのかなと思うと、これに続けて次のように言われるわけです

 逆にいえば、子供がいない人は義務教育費を払わないでいいのかというとそうではない。子供がいてもいなくても義務教育の財源に充てているし、福祉財源にも充てている。


 ですから、私はそのユーザーのための税金という議論は50年前なら現実味があるが、私は(今は)合わないと思うし、課税根拠という難しい表現を使われたが、まさに、例えばヨーロッパはガソリンなどに対しかなり燃料税をかけている。これは全部一般財源で、福祉に相当部分を充てている。


 私は特定財源でなければいけない根拠は、今の(東国原)知事の話を聞いてもまったくないと思います

 意味がわかりません。
 ごまかすにしてももうちょっとうまいこと言って欲しいです。
 道路特定財源は「受益者の中の一部の人に負担がいっている」から筋悪だというのです。暫定税率の部分はなおさらです。義務教育の財源云々は「受益者だけでなく社会皆で(必要性を認めて)払っている」ということでしょう。どこが同じなんでしょうか? 「頭が悪い」タグを付けたいところです。


 道路特定財源一般財源化するという話は、私は好きではありません。一旦廃止した後に新税を構想するならそれには乗ります。暫定税率の廃止は大前提ですが。
 与党も野党も「増税論」に自信がないように見受けられます。本当にその読みどおりに「必要な」税負担に対して有権者がNOを言うなら、それはそれまでの国民、目先しか見ない人が多かったということでそれはそれで仕方がないと私は思います。本当に痛い思いをしなければわからないという国民が多いならば、一時的にも私たちも痛みを分かち合いますよ。そしてできればそういう態度を取らせないようにアジるのも政治家の役目でしょう。それができないのでしたら、できる人に代わってでもやっていただきたいものです。


 たかが一票ではありますが、心ある政治家の方に気持ちを込めて入れさせていただければと心底願っています。

案外「あり」かも

 →「経験生かし食品Gメンに」 ミートホープ社長が公判で
 怒っているような人も多いとは思いますが、たとえばこういう話もあるんです。


 JFKのお父さんのジョゼフ・ケネディーという人がいます。この人は1920年代に株価操作と買い占めで財をなし、1928年世界恐慌の直前には持ち株を全部売って空売りに回り、株価崩壊で巨額の利益を得た人です。まあハイエナ中のハイエナみたいな人間だったんですが、この人をフランクリン・ルーズベルト大統領(FDR, 1932年に就任)が抜擢して、株価の価格操作を排除するための証券取引法を制定する任務を負わせたのです。
 彼は情報の偏在が金になる株価操作について熟知していましたから、裏をかかれない情報公開のやらせ方というものを練り上げて、徹底した情報の公開を義務付ける「証券取引法」を作ってみせたんです。
 さらにジョゼフ・ケネディーは証券取引委員会(SEC)の初代委員長に就任して、証券取引法の厳密な適用を図り、そこから以降の株価操作を困難にしてアメリカの株式市場の近代化に大きな貢献を果たしたとされます。*1


 ミートホープの元社長がこれほど有能なタマだとは思えませんが、こと食肉の偽装についてはかなりの経験と知識(笑)をもっているはずなので、そこらへんの規制に関わらせれば社会のためになるという可能性だってあるんじゃないかと思えます。
 で、あの涙ながらにお父さんを諫めた息子が、将来首相に…というのはないかもしれません。

*1:参考文献:小林由美『超・格差社会 アメリカの真実』日経BP

問題は次世代規格の一元化ではなくて…

 東芝HD DVD撤退(でしょう、もう…)という流れに対して、
 →HD DVD Xデーを経て現DVDからの次世代DVDへの移行が本格化する

HD DVDは撤退を決め、規格争いによる買い控えもなくなり、次世代DVDは本格的な普及へと進む。


…2008年は、「現DVD 対 次世代DVD」という新たな戦いが始まる年となるはずだ。

 なんていう見方があったりするのですが、東芝のRDユーザーとして今まで5台買ってきた者として一言。


 ネックはコピワンでしょ?


 確かにHD DVDVARDIAには手が出なかったんですが、それは次世代規格のどちらかが…というんじゃなくて、単にコピワンが不自由すぎるので待ち。せめてダビング10仕様が実機で出てきてから。ぐらいのものでしたよ。
 録画したのをPCで見ようとはあまり思わないので、いろいろ工夫するよりは待ち。
 ブルーレイが盛り上がるならそれはそれで良いのですが、多分HDDレコの世界はしばらく様子見という具合に流れていくんじゃないでしょうか。以前みたいに盛り上がって欲しいという業界の人の願いもわかりますけど、コピーワンスがある限りおそらく無理だと思いますね。