案外「あり」かも

 →「経験生かし食品Gメンに」 ミートホープ社長が公判で
 怒っているような人も多いとは思いますが、たとえばこういう話もあるんです。


 JFKのお父さんのジョゼフ・ケネディーという人がいます。この人は1920年代に株価操作と買い占めで財をなし、1928年世界恐慌の直前には持ち株を全部売って空売りに回り、株価崩壊で巨額の利益を得た人です。まあハイエナ中のハイエナみたいな人間だったんですが、この人をフランクリン・ルーズベルト大統領(FDR, 1932年に就任)が抜擢して、株価の価格操作を排除するための証券取引法を制定する任務を負わせたのです。
 彼は情報の偏在が金になる株価操作について熟知していましたから、裏をかかれない情報公開のやらせ方というものを練り上げて、徹底した情報の公開を義務付ける「証券取引法」を作ってみせたんです。
 さらにジョゼフ・ケネディーは証券取引委員会(SEC)の初代委員長に就任して、証券取引法の厳密な適用を図り、そこから以降の株価操作を困難にしてアメリカの株式市場の近代化に大きな貢献を果たしたとされます。*1


 ミートホープの元社長がこれほど有能なタマだとは思えませんが、こと食肉の偽装についてはかなりの経験と知識(笑)をもっているはずなので、そこらへんの規制に関わらせれば社会のためになるという可能性だってあるんじゃないかと思えます。
 で、あの涙ながらにお父さんを諫めた息子が、将来首相に…というのはないかもしれません。

*1:参考文献:小林由美『超・格差社会 アメリカの真実』日経BP