自由

 関係性を考慮しない「自由」は有りや無しや、といったことを考えさせられました。
 無際限の自由は自由じゃないという方に一票入れたいと今は思います。


 確か丸山圭三郎大乗仏教の「空」について、空はnullではなく関係性であるということを言っていました。個別の実体を「有るもの」とできないのは、それぞれの実体云々が関係性において存在している(存在を認知されている)からであって、それこそが「空」という概念の本来なのではないかと言っていたのです。
 「無」であるというのは無いことではなく、「有」として自立する根っこを持たない>関係性に解消されてしまうことだ、というこの丸山氏の主張はまったく「らしい」ものだと思いましたし、かなりいまだに私の頭の中に強く影響しているところでもあります。


 般若心経でいう「心無罣礙」が自由だとすれば、それはまさしくすべてが関係性であることを認識して「引っかかるもの、凝るものが心の中にない状態」ということなのでしょう。
 そして関係性を認識することによって自由になるとは、関係性を無視することでは決して無いのは言うまでもないことだと思っています*1

*1:「ことによって自由になる」を追加 7/11

アイスクリームの天ぷら

 唐突に思い出しました。
 本格的な職人技のそれ*1ではなくて簡易版なのですが、ずっと以前に学祭で作って出したことがありました。意外に人気で、途中で追加の食材購入に走ったぐらいです。


 タネは簡単。小ぶりのシューアイスを冷凍して、それに衣をつけて揚げるだけです。(揚げシューとか言われるかもしれませんが)
 アイスはバニラ味のシンプルなものが一番受けます。もちろんタレ、塩は要りません。おやつ感覚の甘味天ぷらですね。


 揚げた時に溶け出さない程度に固まらせておけば、油はねなど全くありません。揚げても中がまだ固すぎるようでしたら、トレイの上で余熱で柔らかくします。中がとろとろになってしまうと食べ辛いので、作りすぎには注意です。一個作って食べて見て、どのぐらいでそのときのアイスがちょうどよく食べられるか掴んでから量産に入ったほうが吉。


 皮の上部が蓋のようになって取れる凝ったシューアイスや、一個で満足するだけの大きいシューアイスはあまり向きません。一口サイズで量産されているぼてっとしたちびシューアイスの方が適当なんです。(袋に10個詰めとか20個詰めにされているようなもの)


 暗くなるまで売りまくっていたなあと思い出されます。
 本筋と言いますか屋台のメインは「一銭洋食」と称した簡易版のお好み焼きでした。
 小麦粉を溶いた生地を鉄板に拡げ、キャベツや紅しょうが、てんかすなどを上に乗せます。鉄板のほかのところに玉子を割って、生地をひっくり返してその上に乗せて具を蒸し焼きにします。後は容器にとって濃いソースやマヨネーズをかけて出すだけ。売りものの一銭洋食と広島風お好み焼きの合体みたいなものだったでしょうか。具に肉や海老は入れなかったような記憶が。
 これはこれで結構いけるものでしたが、思いつきのデザート「アイスの天ぷら」のほうが遥かに売れましたね。


 学祭に参加したのは後にも先にもこの一度だけで、あとはただの「お休み」になってしまいましたが、あの時一緒に作っていた人たちの顔はほとんど忘れても、食べ物を作って売る(売れる)ことの楽しさだけはずっと忘れずにいます。

*1:オブラートで包んでとか