ミネルバ、イトカワに接地せず

 今朝のNHKニュースでも流れましたが、11月12日に小惑星イトカワへリハーサル降下再試験を行った「はやぶさ」が分離した探査ロボット「ミネルバ」が、イトカワ上に接地できなかったそうです。(「はやぶさ」のリハーサル降下再試験の結果について

 探査ロボット「ミネルバ」は、所定の高度に到達したと思われた時点で、地上から切り離し指令が発信され、日本時間午後3時24分に 実際にこれが行われ、その結果が同40分にJAXA相模原管制センターで確認されました。「ミネルバ」は、「はやぶさ」との通信が確保 された状態で分離され、これは「はやぶさ」と「ミネルバ」の双方からの信号により確認されました。また、「はやぶさ」搭載の障害物検出センサにより、「ミネルバ」が探査機から分離されたことも確認されました。
ミネルバ」の分離は、地上管制センターを介して行われたため、実際に分離されるまでの十数分間に「はやぶさ」のイトカワ表面上に おける位置がドリフトし、分離された時点で、高度は約200m 近くに達して、残念ながら「ミネルバ」をイトカワ表面にとどめることはできなかった模様です。
なお、「ミネルバ」は、その後も継続して「はやぶさ」との通信を保ち続けており、搭載機器の状況も把握されています。一両日中、なお詳細な検討を行い、継続してコンタクトをとり続ける予定です。詳細がわかりしだい、あらためて連絡いたします。

 ミネルバは3台の小型カラーカメラを搭載し、ホッピング小惑星表面を移動するように作られた探査ロボットです。重量は600gにも満たない小さいものですが、10cmの距離で1mmを切る解像度のカメラで小惑星を構成する鉱物の観察が企図されていました。またイトカワ表面の温度観察や、粒子サイズの観察によって表面の物質についての知見が得られるという期待もありました。
 上記記事のような状態で観測機器との通信が取れていたとしても、ミネルバ自身にホッピング以外の推進装置はついていませんので、これがイトカワに接地するのは万に一つの偶然を願う以外ないものと思われます。本当に残念です。ただ失敗原因については一応の推測がついているようなので、今後の

1. 11月19日に、署名入りターゲットマーカを用いて第1回目の着陸と試料採取、
2. 11月25日に、第2回目の着陸と試料採取

 というミッションの方は、ぜひ成功させてもらいたいものだと願っています。

続報

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 こちらにちょっと詳しい情報がありました。