のだめ

 今日の予定は今のところめちゃくちゃ。噂に聞く『のだめカンタービレ』、一巻と二巻がなぜだかコンビニの書棚にあって、軽い気持ちで買って、小一時間後には続きを買わねばと車を出してました。三軒書店を回って最新刊まで買いましたが欠巻が少々あり。いわゆる大人買いですね(おとなの特権♪)財布の中にはもう千円もありませんが、明日ちょっとありものを食べれば問題はないです。アマゾンに残り数巻すぐ頼もうかどうしようか考えています。
 

 確かに噂になるだけの面白さがありました。まず描いている世界、音大を中心としたクラッシックの業界は知っていそうで知らないもので、それがリアルっぽくかかれているので惹きつけます。私としてはちょうど『動物のお医者さん』を最初に読んだときみたいな感じがありました。それとキャラクター、想像していたのとは全く違う(いい意味で裏切られた)ダメ女の(というか人間としてどうよという気もする)タイトル・ロール(笑)のだめちゃん。そして「天才」でのだめに付き纏われて、知らず知らずに彼女にはまる千秋くん。変な仲間にセクハラマエストロ。おそらく最初の設定を越えて、どんどん突っ走ってどんどんリアルに感じられるようになっていったのだと思います。こういうのをキャラが立つというのでしょう。
 のだめちゃんは音大の女子学生ということでしたから、片付けられない症候群の不潔女みたいな設定でびっくりさせてますが、それが巻を追って無理なくリアルな変人(想像の中のげーじゅつか)というところにはまってきてます。それと千秋くんは最初はありがちな狂言回しの役割かなと見えて、なんのなんのちゃんと才能のある変人(=天才)役にはまってきてますね。
 基本的には千秋視点ですが、まあ何だかんだのだめちゃんの存在感が軸になって、それで凄くテンポの良い(というか勢いのある)ストーリーが展開してます。どちらかというと少年マンガの疾走感かもしれません。
 絵はどこかデッサン狂ってるようで、これも味になってきてますね。これは作者の二ノ宮知子さんの「素材との幸運な出会い」による代表作となったのでしょう。
 世間でいうほどクラッシック・ブームとやらにはなっていないと思いますが、これだけ肩の力を抜いたクラッシックが受け入れられるというのは、ブームというよりある意味定着でしょう。マンガを読んで手持ちの音楽が聴きたくなるというのは、ちょうど『BECK』の10巻目あたりまでを読んでいたときに比せられます。『のだめ』でも、少し絵から音楽が聞こえるような気がするところはありますね。


 私はわりに成長物語が好きなので、素直にストーリーに入れました。あとはどう膨らましてどう決着を付けるのか。ダメ女野田恵に異様に肩入れしている自分がいますが、とりあえずこいつは千秋くんにくっついて欲しいものです(彼はいやがるでしょうが、もう逃れられないと思います 笑)。