幼稚園と保育園の違い

 大石英司の代替空港さんで、※保育園と幼稚園というエントリーがあり、いわゆる待機児童問題(や専業主婦の問題)に絡めて幼保一元化あたりのことを書かれていました。

 …しかもいわゆる待機児童問題に、国が何らの解決策も見いだしていないことも事実。うちの近所で、幼稚園や保育園が出来たなんて話は、ここ十年全く聞きません。
 母親を家庭に留め置くために、わざとサービス向上を怠っているとしか思えない。

 確かに事実上幼稚園と保育園の役割が変わらないように見えるところもあるでしょうし、幼保一元化の流れは互いの役割を近づけてしまおうという目論見によるものでしょう(重なっては不経済だというところでしょうか)。
 しかし本来幼稚園は教育の場としてあり(参考:過去日記「メタ教育を考えてみるj」)、子どもを預けるだけの目的の場ではありません。
 幼稚園と保育園の違いについてはこちらの表にまとめられていますが、一日の保育・教育時間の違い、職員配置人数、子どもの年齢範囲などを見ればそれぞれが基本的に異なっている(いた)ことは明らかです。
 一日に四時間を標準とする幼稚園の教育時間で、フルタイムで働く親の代わりに子どもの面倒を見きれるものではもともとありません。
 ただ少子化の影響などから、私学は「経営上の観点」、公立は「福祉的観点」というところで延長保育(預かり保育)がそれなりに広まり、幼稚園がミニ保育園化している向きがあるのは否定しません。今後の流れとしてはおそらく遠くない先に一元化はあると思います。


 しかし親御さんが幼稚園を「子どもを預ける場所」としてのみ(のように)意義を認めているのはちょっとどうかと考えます。それでは幼児教育を真剣に考えてこられた方々の甲斐がないというもの。幼稚園をあまり軽く考えないで欲しいように思います。