オーバースペック

 FNNのお昼のニュース、どこやらが開発した非接触式体温計を紹介していました。赤外線で皮膚温を計測するものです。もちろん今までも耳穴で体温を測る非接触式の赤外線体温計はあったわけですが、ニュースではおでこで計測していて(本体は小型のマイクを扁平にしたぐらいの大きさ)、新機軸はレーザーで対象との距離を捉えて正確に検温できる(要3秒)ところらしいです。(従来のこちらの商品のようなものでは誤差が出るということでしょうか?)
 インフルエンザの流行云々とか、かつてのSARSの流行時のこうした赤外線式の体温計にも触れていましたが、なぜ今この新?商品を紹介するのか、ちょっと意図がわかりませんでした。


 さて問題はそこではなく、スペックの紹介の時、測定上限の温度を55度Cとしていたところです。ヒトの体温を測るにはオーバースペックであろうとそう思ったのです。(別にいいんですけど。何の工夫もしなくてももともとそれぐらい測れるのでしょうし)


 お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、普通の水銀式体温計(振って目盛りを下げるやつです)の目盛りは42度Cまでしか刻まれていません。それは何故か。


 それ以上の体温である場合、ヒトは死んでしまうということだそうです。体内の酵素の働きで阻害されるものが出てくる温度とのこと。つまりヒトの体温を測るだけなら42度まででいいと、そういう意味で55度はオーバースペックだなあと思った次第。
 昔その話を伺った時には、人間はぎりぎりのところで生きているんだなあと感心しました。40度ぐらいに体温があがったことは私もありましたから。
 そして、水銀式体温計のクールさにもしびれました(笑)。俺は42度までしか測らねえぜ…と、クールな目で人の生き死にを見ているようにも思えたのでした。