命題とは(寓話)

 「命題とは判断を言語で表したもの」です。論理学でいう「命題」は真偽を問題することができるものに限られ、個体を主語としてこれに述語を帰属させたものを基本形式とします。
 判断とは「〜が《主語》〜《術語述語》である《連語》」という形式を持つもので、問いに対する答えとしての意味をもちます。


 問いとして「ここにある粉はなんですか?」というものがあるとすると、
 「これは砂糖です」
 というのは判断であり命題となっています。場合によっては「偽」のときもあるでしょう(つまりそれが塩だったりするとき)。
 また、小指でなめてみて
 「!」
 とびっくりするだけでも、「ヤクだ!」と一言いうだけでも、これは判断とみなされます(前者は刑事ドラマに限られるでしょうが 笑)。


 しかし「○○を苦しめるすべてのものから(○○を)守ってあげられますか?」というのは、そう*1命題ではありません。
 「私は○○を守れる(人間である)」という答え(判断)でしたら、真偽を問える命題となるでしょう。


 また「私はウルトラマンになりたい」というのは命題とは言えません。それは願望であったり目標となります。
 「私はウルトラマンになれる」という言い方ならば(たいてい偽ですが)それは命題です。


 「(あなたは)ウルトラマンのようになれるか」というのも問い(問いかけ)ですから「〜が〜である」という判断形式にはどうにも変えられません。つまり命題ではないということです。
 これを「ウルトラマンのようになること」と言っても、命題と言えるかは微妙ですね。「ウルトラマンのようになること(ができる)」と補ってとれば命題ですが、「ウルトラマンのようになること(ができますか?)」という問いかけを元にした形だとすれば、どこまでいっても命題ではないでしょう。

*1:You don't have to worry