自分勝手な右折車

 二点間の最短距離は直線(というか線分)なのは直感的にわかるものですが、どうもこの最短を最善と偏頗に考えるドライバーが多くて困ります。右折時に、曲がっていく先から出てくる車の進路(頭)を押さえるように、とにかく自分が右の道(あるいは入り口)に一瞬でも早く飛び込めるように、斜めに直線的に進もうとする人がこの頃ひどく多いようには思われます。
 これは実際右の方から出てくる車にとっては非常に迷惑です。安全確認ができるところまで進もうとしても、ぶつかってこられるように動かれたら危なくてしょうがありません。本来なら、右折してくる車は右側から出てくる車の左折の進路を妨げないラインで(少々膨らんで)曲がらなければいけないわけで、こういうリスクを増やす危険な行為は、たとえその時事故が起きなかったにせよ何度も繰り返されるうちに必ず事故に結びつくようになっています(統計的には)。
 たとえば対向車が来るから早く右側に飛び込みたいとか、それは運転者心理としては理解できますがあまりに独善的です。対向車に心急かされるようなタイミングで右折するのはもともと良くない運転ですし、たとえば右の道路を横断する歩行者などがいるとすれば、それは人身事故につながる危険運転と言えるでしょう。そういうのも見えていないから「直線」で「最短」をと動くのだと思います。はっきり言って未熟でへたなドライバーですし、こういう人は往々にして自分がへただとは思っていないから始末におえません。


 また信号待ちの(広い)交差点での右折でも、信号が変わると同時に、斜めに直線的に一台か二台が直進車より先に右折するというお馬鹿な行為が結構普通になってきているとも思えてなりません。10年、20年前は、こういう危険な運転は名○屋とか○阪とかの一部の「危険運転者が多い地域」の話として聞かれたものですが、今や関東の田舎でもめずらしくないのはいったいどういうことでしょう。
 これもまた無駄にリスクを上げるだけの自分勝手な危険運転です。いらないリスクがあがるというのは、巨視的に見れば必ずや交通事故数をあげる結果になっているのです。


 なぜちょっと待てないのでしょう。
 本当に急がなければならない人がそれほどいるとも思えません。結局わがままですね。そしてそれは、自分だけでなく他の人にもリスクを負わせる危険な行為でもあります。ただのへたくそです、こういう運転者は。
 運転技術がどうのこうのよりも、状況認識とリスクを下げる運転ができて初めて一人前、と思うのです…