中東で

 紛争がまだエスカレートしていくようです。今回の件に限ればイスラエルは明らかに挑発されて攻撃を開始していますから、単純に紛争当事者の善悪の色分けもできない「汚い」紛争になっています。
 まず先月のパレスチナでのイスラム原理主義組織ハマスの軍事部門による暴発。これは内閣を組織するハマスの部門には全く知らせられずに起きたと観測されていますね(読売記事)。その直後の「イスラエル生存権、ハマスが間接的承認に合意」などの動きを牽制し、政治的交渉―決着を嫌う一派の動きだと。これでイスラエル兵など5名が殺され、1名が拉致されてイスラエルは強硬にその返還を求めています。それで結局イスラエル軍ヨルダン川西岸に侵攻しハマスメンバーなどの拘束を行いました。そのため合意はほとんど無意味なものとなってしまっています。暴発派の思惑どおりに。
 次に今月の12日になり、側面支援のつもりだったのでしょうか、レバノンイスラムシーア派武装集団ヒズボライスラエルに越境攻撃を仕掛け、イスラエル兵3名を殺害し2名を拉致しました(CNN.co.jp記事)。これも明らかな挑発です。
 ただイスラエルレバノンヒズボラ支配地域等)に対する報復もエスカレートしていき、民間人数百名の犠牲も言われております。ほとんど戦争状態とのこと。ここまで反攻をエスカレートさせれば、これまた単純にイスラエルの義をいえなくなっています(asahi.com記事)。


 挑発と過剰反撃。この事態にたとえば歴史的経緯を持ち出してどちらかの肩を持つなど私にはできません。あまりに汚い戦いになっている感があります。もう良い悪いじゃないと見えます。そしてこれが単なる対岸の火として見過ごすことができるほど、今の世界は広くもありません。とりあえず感想などなしに、備忘として。