少年ドラマシリーズ「タイム・トラベラー」OPナレーション1
第一回「ラベンダーの謎」
SE「ギ〜〜ッ(扉の開く音)」(揺り椅子に座ったシルエットの男が語り始める…)
1803年、3月24日。
今の、茨城県の海岸に、何とも奇妙な形の船が流れ着き、調べてみると、誰も見たことがないようなおかしな服装の女が一人乗っていたと言います…
このことは、天保年間、江戸で出版された『梅の塵』という本に記録され、挿絵には、まるで空飛ぶ円盤のような形の船が書いてあります…
その船は何だったのか…
宇宙船だったのでしょうか。
それとも…
もしかしたらタイムマシンではなかったのか…
と、すれば、中に乗っていた女というのは…
時間の流れを飛び越えることができる人間、タイム・トラベラーが、今にも…たった今にも、姿を現すかもしれません…
しかも…
あなたの身近なところに…
(テーマ音楽)
芳山和子。中学三年生。
これから数分後に、彼女は不思議な体験をすることになるのです…
もちろん…本人はそんなことは夢にも思っていないのです…
とにかく、芳山和子は今日、理科室の掃除当番なのです…
(ナレーション:城達也)