新人ナースの定着率

 今朝のNHKニュース(の首都圏ネットワーク的ミニコーナー)で、新人看護師の離職問題と対応についてトピックになっていました。およそ10人に1人の新卒就職の看護師が勤務1年で離職しているという調査結果が日本看護協会の調べで出たということでした。
 しかも従来型の看護師の離職は「結婚・出産・育児」などが理由だったのに比べ、この新しい離職の風潮は自分自身の力不足の認識からくる「重責感・無力感」に起因すると考えられるため、従来と違って離職者が職場へ戻って来ないことになるのではと危機感を語られる看護師長さんのインタビューもありました。


 最新の医療を新任のナースが1年やそこらでキャッチアップするのは難しいこと。学校や研修でも憶えなかったような薬剤や機器があふれかえっている現場で、多少の猶予期間は考慮されているものの自分のミスが医療事故につながりかねないというプレッシャーにはごく最初期からさらされているわけです。医療機関もほぼ即戦力に近いものとして新人ナースを捉えているのではないかと思います(配置さえ考えれば人手として役立つ…というより役立ってもらわなければ困る、というように)。


 だからこそ、むしろ真面目な新人看護師ほど職責を正面から受け止め、薬や機械について勤務時間外でも憶えようと頑張ったりして1年やそこらで燃え尽きる…ということなのかなあと感じました。


 で、こうした問題への対策として紹介されていたのが東京慈恵会医科大学附属病院の取り組みでした。慈恵医大病院では「1年目看護師教育研修」制度を取り入れ、最初の一年は研修期間と位置づけてあえて職責を重く担わせず、新人ナースの定着を図るという試みを行っているとのことです。

1年目看護師教育研修
チームの支援を受けながらスタッフナースとしての自立を目指す


※ 自立とは「自分ひとりで何もかもできるようになること」ではなく、「今、自分にできることできないことを見極め、必要な支援を求めることができる」力を意味します。


 入職から最初の1年間は基礎研修からの継続のオリエンテーション期間として位置付けています。『先輩ナースの指導を受けながら、スタッフナースとして自立すること』を目標とし、短い期間での詰め込みをせずに、しっかりと看護感や知識・技術を身につけます。
 育成支援は『1年目看護師育成計画表』に基づいて、『現場教育』と『集合教育』の2本柱で行われます。

 慈恵医大病院ほど規模や経営に余裕のない医療機関はすぐにこうしたプログラムを取り入れるということはできないと思いますが、人手不足が言われている看護職で、せっかくの職業養成期間を無駄にせず定着率を上げるにはいろいろな取り組みが試されるべきでしょう。


 本当に新人ナースの間は大変だということです。最近では男の子も多いわけですが、特に女子に関しては研修期間からしばらくの間は新しく付き合う人を見つけるのはほぼ無理という感じだと聞きました。
 で、そこらへんの事情はどうなっているかということですが、看護学校や大学から臨地実習で医療機関に行った時に、研修生に若手の医師やら何やらが粉をかけてくるそうで、そこでくっつく者も少なからずいると…
 真面目に実習してろ!(笑)
 と言いたいですね。


 あと少し気になったのは慈恵医大病院のナースの制服です。これはあれです、パジャマ? というよりその襟なしのシャツは夜店の屋台でおっちゃんが着ているようなもの? 柄も派手ですし…
 機能的なのかもしれないですが、これはなんだかなあという感想でした。