冷やしラーメン

 あまりに暑い日が続き、ちょっと帰省から戻っても日記を書く気力も湧かない感じです。とはいえリハビリを兼ねて少しだけ…
 この夏、わりに長めの休みが取れましたので久々に盆に帰省しましたが、それだけでは面白くないので一所だけ寄り道をしました。寄った先は山形市。山形自体は数度訪れていますが、市中泊としては二度目の訪問でした。
 目的といったものは何もありません。強いて挙げれば「冷やしラーメン」なるものを食べてみようかというぐらい。前回は新そばの美味しい季節で板蕎麦(ただし半分)を堪能し、山形美術館最上義光歴史館をじっくり見て、霞城公園を散策しました。今回は盛夏の真っ只中でもあり、特に目的も設けずに街中をぶらついてみようと思ったのでした。
 たまたま宿泊先が前回蕎麦を美味しくいただいた「三津屋」さんの向かい側でしたが、今回は寄らず。「夏新そば」という掛札があり(これは市内のあちこちで見かけました)、あるいは南半球の(オーストラリアかどこかの)そば粉を使った季節外れの「新そば」ということかなと思いましたが、まあそれは今ここでしか食べられないというものでもないだろうと…。


 午後の暑い盛りは避け、少し陽が傾いた(それでも暑い山形市内を)駅のあたりを中心にうろうろしてみました。そしてちょっと足を伸ばした先で、あまり有名どころではない感じの、それでも小ぎれいな店に入って「冷やしラーメン」を頼みました。
 まだ陽があるうちで、夕方の客の最初だったのでしょう、食べ終えるまでお客は私独り。少し驚いたのは、食前にデザートらしきヨーグルトベースのムースのような冷菓が出てきたことです。これが山形の他の店でもあるのか、あるいはこちらの特別のサービスなのかはわかりません。
 さて、出てきた「冷やしラーメン」、見た目は普通の醤油ラーメンと変わらない感じですが、器は冷えていてごろっとした透明な氷の塊が浮いています。それにレモンの輪切りが一枚。あっさりさっぱりおいしくいただけました。
 醤油ベースですが非常にくせがなくさっぱりしたスープです。油も浮いているのですが、植物性の油とのこと。ごま油も入っていると思いますが、それほどきつい香りもないのでブレンドしていろいろ使っているのでしょう。出汁はお肉でしょうが牛肉だけとも思えないものです。
 麺は硬めの、冷麺に結構近い感じの(透明ではない)麺でした。もっと普通の中華そばの麺かと思っていましたので、これは少し意表をつかれました。まあこの冷えたスープにはこちらの方があうのでしょう。量は結構多い感じを受けました。
 具材は、味付け卵(半個)、チャーシュー(一枚)、白キクラゲ、シナチク多目、茹でたもやし多目、かまぼこ(一枚)、わかめ。のりやごまはありません。万能ねぎが散らしてあって、そこに皮を剥いたレモンの輪切りが一枚という、わりにきれいにまとまった見た目でした。


 暑い時にはこういうさっぱりした食べ物は嬉しいもの。とはいえこちら以外で「冷やしラーメン」が流行っているということも聞きませんので、これは珍しいと思います。酢を使った冷やし中華、冷麺タイプではなく、一見そのままラーメンを冷やした感じ。氷も浮いていますが水っぽくは無く、ちょっと不思議な味でした。冷えているせいか出汁の正体もよくわからなかったのですが、うまみはたっぷりあります。おそらく肝は植物性の油なのでしょう。評論家でもありませんし、あまり考えずにおいしく食します。近くにあったら、こういう暑い夏には二日に一遍は食べたくなるさっぱりした一品でした*1


 というわけで再開ですがとにかく暑いです。昨日辺りがピークだそうですね。早くもう少し快適になって欲しいものです。

*1:ちなみにこちらでは650円の値付け。ラーメンより150円、冷やし中華より50円高いものでした。