ハドナット容疑者の釈放

 女子中生暴行の沖縄米兵を不起訴、釈放 告訴取り下げで那覇地検(産経ニュース)
 こういう形で事件は動きましたが、真相は藪の中のままです。一番の問題は、性犯罪被害については「沈黙」が次善の解決として存在してきたということ。さらに言えば被害者が「価値の低下」という不躾な視線にさらされる現実があることが何よりネックということです。これがあるので、加害者を告発しないことがすぐに事件の真相をあらわにするものではなくなっているんですね。
 俗な言い方でいうと「誰も木の又から生まれてきた者はいない」のであって、性犯罪に絡んで何一つ本質的に被害者が責められる理由はないはず。それでもそこに文化的な暗黙の了解があって、それに対応するのも一つの理性的な選択となりますから、およそどういう被害者側の意図で告発を取り下げたのか、ハドナット容疑者はどこまでクロかということについて周囲では白黒つけかねるということになりそうです。


 結局何もわからないまま幕引きということになりそうではありますが、唯一「米軍独自の調査」というものでハドナット軍曹の行為が本当にかなり未然に抑えられていた場合、アメリカ側が自身の名誉回復のために何らかの情報を流すということがあるかもしれません。しかしその場合でも、未成年者を誘拐して不埒な行いをしようとしたというところまでは確実でしょうから、薮蛇にならないよう何も言い出さない線が濃厚で結局はうやむやの決着となるのでしょうか。