いじめの言葉

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 どうしたんですか?泣きはらしたような目をして。

 なんていうコメントを見てしまって朝から不快です。
 これはいじめの言葉とどう違うのでしょうか? 文脈から言って泣くの泣かないのというケースでもなく、これはコミュニケーション拒絶の上、誰かを叩こうという意図が伝わってくる言葉です。


 誰かがおかしなことを言っているなら筋のある言葉で反対すればいいのです。
 確かに言われるほどはてブで徒党が組まれているとも思いませんし、それぞれがそれぞれの感想や言葉を述べているのが多いと私も思います。
 でもこの「空気を読んだ」言葉が出てくるのは、よってたかって叩いている(叩かれるべき人がそこにいる)というようにこの人に見えたということなのでしょうし、そういう状況(に見える)ことが全く無いとは言えないのではないかと考えます。
 一人をあげつらって叩く快感はきっとこの人の自制を無くしてしまうだけ「いい」ものなのでしょう。しかも自分が「多数」の「正しい」側にいるのですから、遠慮なんかいらない…というわけです。


 「こいつ泣きそうな顔をしているぜ」という言葉で煽られて泣かされた小学校の記憶が鮮明にありますので、私個人としてはこの言葉に敏感です。2ちゃんねるのコメントとはてブの類似がどうこうという話題が出たことがありますが、今朝は本当にそうかもしれないと思ってしまいました。


 これを書いた人にも自己正当化の言葉はあるかもしれませんが、傍で見て「卑劣」としか見えないということで、少し腹立ちがおさまらぬまま一言書きました。

その後

 今朝のあのブクマコメントをもう一度見てみました。他の人は流して気にかけずにいるのだろうかとか、本人がもしかしたらコメントを消しているかもしれないとかいろいろ気になったからです。
 見たら最悪でした。

 どうしたんですか?泣きはらしたような目をして。(例によってブコメは演出です)

 というように後ろに「言い訳」のようなものをくっつけているじゃないですか。
 この「言い訳」がおそらく自分にこういう言葉を吐く正当性を与えてくれていると思ったのでしょう。これはこのコメントを書かれている記事の人がよく使う言葉に似せたもので、こいつがやっているから自分もやったと言わんばかりです。
 ますますこのコメントが「空気を読んで」、そして自分を支持してくれるだろう誰かの目を意識してそれに阿ったものであろうという想像が確からしくなったと思えます。


 周到な準備をしたいじめというのはあまり聞きません。それはおそらく唐突に雰囲気が醸成されて始まることが多いのではないかと思います。周囲でそれに乗るものは案外軽い気持ちだったりするかもしれません。
 だからこそこういう「空気」は怖いのだと言えます。継続的にいじめられる人というのも大変つらいとは思いますが、いじめられた側がいじめる側に回るというのもよくあることです。絶対的な被害者というものだけではないんです。それは人間の心がどうしても弱いから出てしまう行動なのかもしれません。
 自分もそれから無縁だと言い切れない人の心の醜悪さなので、憎いと思いいやだと思うのかもしれないです。