つばめ危機一髪

 ガレージに車を入れて降りてみたら、車の鼻先に灰色の小さな雛が一羽。近づくとばたばたもがいて、十数センチなんとか動く感じ。ああこれは玄関先の巣から落ちて、じたばたしているうちに数メートル先のガレージのところまで来たんだと直感。
 これ絶対車の車輪の間を抜けたなと思えるところにいて、幸運にも轢かずに済んだようです。


 巣に返してやらなければ死ぬだけでしょう。カラスもときどき見かけます。
 でも先日の『夏目友人帳』で、人の匂いのついた雛が巣に戻されても仲間はずれで死んでしまうという筋立てを見たばかりでしたので、(真偽はともかく)うかつに触って匂いをつけられないなと手を一度引っ込めました。
 とりあえずちりとりの上に箒で静かにかき入れます。親らしいツバメが頭上を飛んでいます。二段の踏み台を持ち出して、上に乗り、ちりとりを巣に近づけますがちょっと届きません。
 どうしたものかとちょっと考え、これは炭ばさみだと思いつき、物置からそれを出してきてそっと(できるだけ柔らかく)挟んで台の上から伸び上がって巣の中へ入れました。
 何とか巣には戻せたのですが、ちょっと大きくなってきた雛が5羽ではこの巣は狭いのでしょう。自分で落ちたか兄弟に押し出されたか、このまま巣立ちまで無事に巣に入っていられるでしょうか…


 一応ほっとしてPCの前に座り、これを書き始めた頃にものすごい夕立です。いろんな意味でぎりぎりだったようです。明日の朝にまた落ちていないか確認してみます。でも何度も落ちて弱るようでしたら、それはもう寿命というものなのかもしれません。ちょっと複雑な気分です。うちの軒先に巣をかけたということで他生の縁はあったものと思いますが、どこまで介入してよいものやら悩みどころでもありますね。