ハロウィンって何?

 明日はハロウィンですね。三年ほど前に「万霊節」という記事を書いていましたが、今日はその時に見つけたイギリスの子供たちのためのハロウィン解説サイトから少し訳してみました。

The History of Halloween

知ってた?
私たちの祖先は新年を11月の1日に祝っていました。
彼らは大晦日(New Year's Eve)を10月の31日に祝っていたのです。
Samhain(ソーインと発音します)の祭りは、「太陽の季節」(夏)の終わりと「暗がりと寒さの季節」(冬)の始まりを知らせるものだったのです。


じじつ
ハロウィンという言葉や10月31日については、千年前のどのアングロサクソンの文書でも特別な日として記されていました。
中世(1066-1485)から19世紀にかけて、10月31日が万聖節(All Saint's Day)の前夜(Eve)以外のものとしてあったという証拠は何もありません。
19世紀から現在まで、10月31日は幽霊や魔女、妖精たちが特別に活発になる夜としての評判を次第に高めてきています。

 万聖節−11月1日
 紀元835年、ローマカトリック教会は11月1日をすべての聖者を讃える祝日として決めました。それは喜ばしい祝日でもあったのですが、同時にそれは万霊節(All Souls Day)の日でもありました。ですから中世の時代にこの日に死者のために祈るという習慣ができてきたのです。
 万霊節(All Saint's Day)のもう一つの名前は「All Hallows」(hallowは古代英語で聖者のこと)と言います。この祭りはAll Hallowsの前夜、10月の最後の夜から始まりました。


ハロウィンって名前はどこから来たの?
 ハロウィンはAll Hallow Even(All Hallows Dayの前夜)に由来します。ですから、ハロウィンは万聖節の前夜でもあるのです。


ケルト(の宗教)とハロウィンの似たところは?
「悪霊(Evil spirits)」
 ケルトの人たちは長い冬の暗がりの中から悪霊がやってくると信じていました。彼らはその(ハロウィンの)夜、私たちの世界と霊の世界の垣根が最も弱くなると信じていましたので、それは地上で霊を一番見かけやすくなる夜だと考えていたのです。
「かがり火(Bonfires)」
 ケルトの人たちは霊を怖がらせて遠ざけるためにかがり火を焚きました。そして火の周りを祝い踊ったのです。火はまた煉獄の魂に慰めをもたらすものでもありましたので、人々は藁の火を高く燃え上がらせて死者のために祈ったのでした。
(※煉獄とはささいな罪の魂が一時的に罰せられて行くところです。そこで十分に罰せられた後、魂は天国に行くことを許されるのです)
 ハロウィンのたき火はスコットランドアイルランドで最も強く燃えさかりました。ケルトの影響がもっとも明らかにあったところです。でも前世紀の初頭までイングランドの北方の地方でもその影響はなかなか消えずに残っていたのでした。


かがり火祭りが11月の5日に移る
 イングランドでは、火の祭りBonfire Nightが11月の5日にあります。1605年の火薬陰謀事件(Gunpowder Plot)の記念日です。でもその日がハロウィンに近いのはただの偶然ではありません。ハロウィンとBonfire Nightはどちらも異教の時代の古い共通の起源をもったもので、暗がりの悪霊を音や火で追い払うというお祭りなのです。


ハロウィンの習俗
 ランカシャー地方には「Lating」とか「魔女照らし(Lighting the witches)」と呼ばれる大事なハロウィンの習俗があります。人々は夜の11時から夜半までロウソクを運びます。もしロウソクがちゃんと燃え続ければ、それはその季節の安全をもたらします。でももし魔女がそれを吹き消してしまったら(消えてしまえば)それは悪運の前兆となるのです。
 イングランド北部のある地方ではハロウィンは「くるみ割りの夜(Nut-crack Night)」として知られています。くるみが火の中に投げ入れられ、その炎の中でのくるみの様子によって恋人の忠実さを予見し、結婚がうまくいくか失敗するかを見るのです。
 ハロウィンはまた時にイングランドでは「Snap Apple Night」とも呼ばれます。リンゴ食い競争(snap apple)と呼ばれるゲームでは長いひもの先にリンゴがぶら下げられます。参加者は手を使わずにそのリンゴを噛み取らねばなりません。このゲームの別の形では、棒の一方の端にリンゴがもう一方の端に火のついたロウソクが固定され、水平に釣られたその棒がぐるぐる回されます。参加者はロウソクを避けながら歯でリンゴを受け止めようとするのです。
 イングランドの多くの地域ではハロウィンは「いたずらの夜(Mischief Night)」(11月4日に祝われる)と結びつけて考えられています。この夜は少年たちがあらゆる種類のいたずらを近所の人に仕掛けるのです。子供たちは店の看板を取り替えたり、門扉を取り外したり、ドアを白塗りしたり、ドアの掛け金を縛りつけたりします。
 おそらくハロウィンの習俗に影響を与えたもう一つの伝統は、9世紀ヨーロッパのsoulingの習俗です。これはクリスチャンのお祭りで、人々は「soul cakes 魂ケーキ」をねだって家々を訪れたのでした。見知らぬ人でもお祈りを唱えることによって魂が天国に向かう旅の助けになると信じられていましたので、ケーキと交換に人々はケーキをくれる人の亡くなった親族のために祈ることを約束したのでした。