サンドイッチ

 今日明日と勤め先のイベントで昼食持参。まとめて注文してくれるお弁当の予約を忘れて自分で持って行かなければならなくなりました。コンビニでというのも考えましたが、とりあえず今日はサンドイッチを作って持って行くことに。
 こういうのは昔取った杵柄で、茶店のバイトの頃に作ったミックスサンドなんかちょいちょいと作れます。作り方に凝ったところはありません。ただあの店のサンドの味を決めていたのは、内側に塗るマヨでした。玉ねぎを細胞壁の最後の一つまで無くなるように細かく微塵に切って、それをマヨネーズに合わせて最低2日は置いたものを使っていたのです。
 今回も一応敬意は表して、一昨日微塵に切った玉ねぎとマヨネーズを合わせておきました。自分で食べるものですし刻みはややいい加減(笑)かつては玉ねぎ一個あたり軽く1時間はかけて裏でトントンやっていたのですが…。ミキサーは使いません。あれは味へのこだわりがあったものなのか、あるいはミキサーに玉ねぎ臭さが残るのをママさんがいやがっていたものなのか、いまだに不明です。


 ああいう店では、パンは一斤単位ではなく三斤分の一本単位で買います。トーストにせよサンドイッチにせよオーダーが出てから包丁で切り分けて(それも波形の専用ナイフといったものではなく、普通の牛刀みたいなのを、うちでは)使っていました。切っておくとすぐ乾燥して無駄が多くなるからです。
 最初の頃はまともに薄くパンを切るなどできませんでした。簡便な裏技として、コンロの火で包丁をあぶり、それが熱くなってから切るという手段がありましたね。パンに包丁を入れた瞬間、ミルクっぽいような香ばしいような香りもして、あれは好きな一瞬でした。もちろん慣れてくると面倒くさいのでそんなことはやらなくなりますが…。
 切ったパンに玉ネギマヨを塗り、キュウリのスライスを載せてロースハムを一枚。もう一組は、薄切りのトマトの上に塩こしょうして作った薄焼き玉子を載せて。重ねて(しとっとするまで)ちょっと置いて、耳を切り、その後三分割します。今日は厚めに耳を切って、それを朝食にしました。少し塩こしょうを追加して。


 当時一日に四つか五つサンドイッチのオーダーが入りましたので、切った耳は全部(パンが入っていた)袋に入れ、バイトをあがるときにもらって帰っていました(笑)だから懐かしい味です。最初にバイトに入った頃は時給が450円でしたよ。それでも続けたのはこういう役得?があったことが大きいです。食い物やさんはバイトの食生活を下支えしてくれますね。あとたまに堅くなってきたパンをそのままもらったことも(一斤以上はゆうにあったり)。


 長くバイトをやると、ああいう仕事の経営はどれだけ無駄を出さないかということに尽きるように見えてきます。食材の原価は本当に抑えられます。買った食材で作って全部売れるならぼろ儲けと言ってもいいでしょう。
 それができないから難しいんです。お客さんに妙なものをだして評判が悪くなれば元も子もないですから。
 うちの店はおされな店でなかったんで(うら若いお嬢さんよりタクの運ちゃんがはるかに多い)、メニューにあったパフェなどは本当にたまにしかでませんでした。オーダーが入ると、まず冷蔵庫に入れてあった(缶詰の)ミカンをちょっと口に入れます。「う、ピリリとうまいっ!」というのが普通で、すぐにそれはほかしてまた缶詰を開けます。それで使わなかった分をまた保存するのでしたが、たいていは次のオーダー時にはまた「う」となるわけで、他の食材でも無駄がばんばん出ていましたから、あのパフェの値段は本当に高くついていたものだと思います…