重力の使命

 ⇒フツーの人が界王星にいったらどうなるか(Exciteコネタ)
 こういうふうに想像を巡らすのがSFでしょう。作品として速攻で思い出すのがハル・クレメントの『重力の使命』です。

 木星の約16倍の質量を持つ惑星メスクリン。メタンの海に水素の大気。平均気温は-170度。
 自転周期が17分45秒と超高速なため楕円体の惑星となり、赤道付近の重力が3Gで極地付近は600G超。

 そんな惑星に知的生命体がいたら…

 というのが本書です。
 メスクリン人は体長18cmほどのムカデのような形態をしていて、鉛直方向の認識というものがそもそも欠けています。ほとんど二次元で考える人たちなんです。そんな彼らの中でもとても進取の気性に富んだある「商人」が探査にきた地球人と接触して、という筋立て。


 原作は1954年に書かれたもので、作者のクレメントは高校の理科の先生だったんです。
 この作品の舞台は、当時話題を集めていた白鳥座61番星の伴星として構想されました。彼はアシモフの協力を得て、世界の構成を綿密に計算して設定。そして本作を「矛盾探しゲーム」のようなものとして読者に提供したのでした。ハードSFという類の代表作の一つですね。


 界王さまがゴ○○リを想像させる特徴を持っているところから、もしかしたら重力の影響を受けて平べったい形態であるという初期設定があったのかもしれないなあと妄想。もしかしたらドラゴンボールも途中からハードSFに…