誤って合祀

不備認め合祀対象から削除 韓国人生存者に靖国神社

 【ソウル26日共同】日本の植民地時代に強制連行された韓国人の生存者が本人の知らない間に靖国神社に合祀(ごうし)されていた問題で26日、合祀された1人に靖国神社から、手続きの不備を認め合祀対象から外すとの内容の手紙が届いた。
 韓国の政府機関「強制動員真相究明委員会」が明らかにした。
 手紙はソウル在住の金希鍾氏(81)に届き、調査の不備で合祀したことを謝罪、「靖国神社戦没者を祭る場所で、(合祀者の)名簿の(金氏の)項目に『生存確認』と書き加え、今後祭事は行わない」と記してあったという。靖国神社は「広報担当者がおらず、回答できない」としている。
 金氏は今月3日、事情を聴くため靖国神社を訪問。その後、生存を証明する戸籍謄本を神社側に送っていた。
共同通信) - 7月26日21時44分更新

 このぐらいのものと言えばこのぐらいのもの。靖国に祀るとは祀る人の心の中の問題で、もちろんそれはお墓でもなければ、そこに「魂」とかの実体(?)を引っ張ってくることでもないのです。そこに名前があるからと言って、誰に実害を与えるとかいう類の話では本来ありません。
 誤って祀られてしまっていた金希鍾氏本人に、自分の知らないところでの祭事がその知らない間にどんな影響を与えたというのでしょう。(知ってからは、死んだことにされていた不快感ぐらいは当然考えられますが)


 名簿の一番の意味は、その名簿に載る人を(名を)知る者にこそあります。またその意味は、靖国神社に対する信仰、崇敬の念によって与えられると申してもよいでしょう。基本的に靖国に合祀されている方々のほとんどは、靖国以外のところに墓所や位牌もあるわけですから、靖国を知らぬ(もしくは信じぬ)方々にとってはもともと意味など持ちようもないということです。
 だから翻って靖国に共感できない方々も、負の関心を抱くということではなく、靖国神社を大事に思う方々の気持ちは尊重して関与せずにいるのがまっとうなことかと…


追記:それにしても「強制連行された…」はいまさらないでしょう(笑)少なくとも軍属であったことは確かなのでは?

ワーキング・プアな親を持つ子どもの未来まで、勝手に番組で暗示するなよ〜

 という主旨の、双風亭日乗さんの「ワーキング・プアな親を持つ子ども 2」の記事が印象的です。

…ワーキング・プアは社会の構造的な問題であり、なかなか解決が困難であり、ワーキング・プアな親を持つ子どもは、やはりワーキング・プアになってしまう実状がある、という話はほんとうのことだと思われます。だがしかし、そういう悲惨な事例ばかりを取りあげて、いかにも未来がないように報道するのは、どうかと思ったんですね。

 まったく同感です。コンセプト番組としては致し方ないとも思いますが、切り取った現実の一面だけですべてを語ることはそもそも無理といえば無理。私の言葉などより重い、きちんとしたご意見です。

 何もできないのがわかっているのならば、せめて悲惨な状況にある人の「未来がない」部分を表現するだけなく、そういう状況に置かれても「救いはあるかもしれない」という部分も指し示すくらいのことはしてほしかったなあ、と思いました。

 未読の方は前日の1の日記も含めてお読みになることをお勧めします。「つまらぬ体験談」と謙遜されてはいますが、あの番組にも劣らず考えさせてくれること請け合いです。


ちょっと追記:私の番組への感想は数日前に書いたとおりですが、この記事ではまたちょっと違うところを刺激されましたね。「格差社会」批判は、最初学歴などの絡みから「格差社会が固定化しつつある」なんていう根拠の曖昧な話から始まっていました。私にはそれが学歴社会の肯定>固定化を進めるもののようにも見えていました。でも就学機会という問題に関して、そこにパスがある(パスをつける)ということの意味が、そのパスを通れる人の多寡以上に重要なんだなと感じさせられたりしています。