靖国

政治利用はもうたくさん

もう靖国神社のことは放っておいてあげればいいのにと思います。 今現在、新たに戦前あの神社が持っていた役割を復活させる意味はないでしょう。戦死者・戦没者の方々に慰霊・記念の建物が欲しい、国が追悼すべきという方が多いのなら、他の施設を考えればい…

冷めたじゃがいも

最近、在ソウルの友人からもらったメールで、 ブッシュ歓迎・反対デモの双方を見に行ってきましたが、どちらでも「独島!独島!」と連呼していたのであきれ果てました…… という追い書きがありました。今ソウルでは日韓問題といえば竹島がらみの話題が旬らし…

李登輝氏の参拝

台湾の李登輝前総統、靖国参拝の意向 30日昼過ぎ来日した台湾の李登輝前総統は同日午前、台北から東京に向かう機内で同行の日本メディアの取材に応じ、6月9日までの訪日期間中、第2次大戦で日本軍人として戦死した兄がまつられている靖国神社の訪問を検…

高砂慰霊碑の件

上記エントリーに関わって、ここで日本軍に協力した台湾の高砂族の慰霊に関する一つの事例を書きとめておきます。 1985年以降、日台両国の戦友会や遺族の努力が始まり、1990年に台中市の宝覚禅寺に李登輝氏(当時中華民国総統)の揮毫した「霊安故郷」という…

加害者の慰霊

G★RDIASの記事、「「33個」目の石−−バージニア工科大事件続報」についてです。 これは「バージニア工科大学事件の追悼がキャンパスで行なわれているが、キャンパスに置かれた犠牲者追悼のための「石」に、33個目の石、つまり容疑者のチョ・スンヒ…

「心の問題」の履き違え

社説:靖国参拝 あいまいな解決法はない 今回の総裁選で相違点が一番はっきりしているのが、争点にしないはずの靖国神社参拝である。 靖国参拝は、本質的には特攻隊に感動した小泉純一郎首相個人の「心の問題」だった。だが、「心の問題」であるが故に、中国…

靖国参拝違憲訴訟 最高裁小法廷判決(2006)

メディアからは「戦争」とか「靖国」とかいった言葉が潮を引くようになくなってきている感があります。個人的感想ですが。 風通りが結構良い自宅も今日はあまりに暑くしんどいです。とりあえず備忘で、今年出た最高裁の判決文を記しておきます。戦争にしても…

ル・モンド紙の靖国報道

産経新聞の昨日の記事で「靖国参拝「軍国主義とは無関係」 仏紙、客観的に報道」というのがちょっと気になりまして、ほんとうに同紙が「中国、韓国が反対するなかでの参拝は両国の圧力に屈しない外交姿勢の表れ」と捉え、「首相の靖国神社参拝が軍国主義とは…

靖国データベース

たとえばクリスチャンであるかどうかは、形式的にみればまず洗礼を受けているか否かに依ります。ムスリムでいうなら信仰告白(シャハーダ)をするかどうかが最も重要かと思いますが、これらは言ってみれば分岐点であり、信者となるか否かが教義的には「神の…

首相の参拝

小泉総理、この終戦記念日に靖国参拝されましたね。私の予想は全くはずれました。今朝起きるまでは行かれないだろうと正味思っていましたし、起きてテレビを見たら、いきなり朝の参拝が既定事項に報道されていてびっくりしました。そしてそのまま参拝の様子…

誤って合祀

不備認め合祀対象から削除 韓国人生存者に靖国神社 【ソウル26日共同】日本の植民地時代に強制連行された韓国人の生存者が本人の知らない間に靖国神社に合祀(ごうし)されていた問題で26日、合祀された1人に靖国神社から、手続きの不備を認め合祀対象…

反宗教主義(再)

一年ちょっと前に「反宗教主義」というお題でエントリーを書いていましたが、その時の引用を再掲したいと思います。 靖国問題の不思議 (元上智大学教授・ザンクトガレン大学客員教授:八幡康貞) 政教分離とは、まず第一に、宗教団体の政治への介入や影響を…

昭和天皇の靖国不参ニュース

今まで靖国問題について書いてきた以上、これには触れなければならないでしょう。今朝日経新聞が「昭和天皇、A級戦犯靖国合祀に不快感・元宮内庁長官が発言メモ」という形でスクープ記事を発表しました。これを知ったのは今朝のテレビですが、各紙とも後追…

集団性と個人性

駒澤大学の池上良正氏は、『死者の救済史―供養と憑依の宗教学』角川書店、2003、などの著書で、前近代における日本人の死者との関わりを「祭祀(祀り)」と「供養」の二つのシステムの競合と併存というモデルによって考察されています。 これは単に従来の神…

分祀

昨日「分祀」について書きたいと申しましたが、考えていた要点は次のいくつかのポイントでした。 ・「分祀」という概念は伝統的にあったものではない ・そもそも神道の多元性は排除の方向へ向くものではない ・「分祀」という宗教行為を行うにせよ、それは靖…

慰霊碑

靖国神社側の方のお考えは存じません。靖国神社に参拝する方々に先の大戦で亡くなった方を悼むというお考えの方が多かっただろうことは間違いないですが、私はその一定割合は、必ずしも国を守ってくれた「英霊」に参拝するという意識を持っていないと考えま…

自由主義と民主主義と保守主義

先日の小泉首相の靖国参拝に絡んで、drmccoyさんが興味深いエントリーを書かれています。 首相が靖国神社に参拝することに賛成の人にも、いろんな考え方に基づいて賛成する人がいる。首相本人が「靖国神社に参拝したい」と言った場合には、おおまかに考えて…

小泉首相の参拝が見せたもの

昨日の小泉首相の靖国参拝をどう評価するかには諸論あるでしょうが、私は彼が政治家としての配慮を示した参拝をしたと思いました。何に最も配慮したかというと、実は先月末の大阪高裁判決だったと考えます。 その前日の東京高裁判決で言われたように「私人と…

首相の参拝

今日のお昼のニュースでもNHKを含む各局が報じていましたが、大阪高裁が「旧日本軍の軍人・軍属として戦死した台湾人遺族や日本人の宗教関係者ら188人が首相と国、靖国神社に1人1万円の損害賠償を求めた訴訟」を棄却しました。賠償請求は認められませんで…

靖国信仰を捨てろと言う人

ひさびさに靖国神社のことについて触れますが、それがこのような暴論に接してであるということを悲しく思います。また八月がやって参りました。靖国についてかまびすしくなることでしょう。しかし何が言われたとしても、参拝なさりたい方はして、関係ないと…

反宗教主義

上智大学の先生であった八幡康貞氏の言葉を引用します。八幡氏とは靖国神社やその他の考えでいささか意見を異にいたしますが、反宗教主義という御示唆には感銘を受けました。 最初に確かめておきたいことは、全国民を巻き込んだ戦争の犠牲者の霊に対し、政治…

問題の整理

あんとに庵◆備忘録のantonianさんのところで、靖国問題を次のように整理されておりました。 靖国の問題には幾つものキーポイントがあります。 1・英霊を祈る施設としての靖国そのものの是非 2・A級戦犯を祈ることの是非 3・首相が祈ることの是非 4・首相…

民族宗教と神道

神道は民族宗教に分類され、国家神道も靖国神社もこの範疇に入るでしょう。しかし歴史・社会・文化の型に日本人のエトスを求める場合、神道は確実にその部分ではありますがすべてではありません。この「民族」に関わるという点が、靖国の賛否に影響を強く与…

蛍の光

蛍の光が四番の歌詞まであるというのは、昨年まで知りませんでした。(作詞の経緯について詳しく存じませんが、二番までの馴染み深い歌詞とその後の歌詞が違う人の手によるという情報もないので、一応同じ方の作詞と考えます。) 蛍の光 窓の雪 書読む月日 …

靖国と宗教

最近私はある意識調査をいたしまして、対象となる方々(標本数は400弱)に「あなたには信仰心はありますか」と尋ねたところ「ある」とされた方が23%おられました。しかし同じ対象に設問で「死んでも意識は存続すると思いますか」と尋ねたところ、「どちらか…

首相は個人の信条で靖国参拝と…

小泉首相は20日の参院予算委員会で、自らの靖国神社参拝について「大局的見地に立って参拝している」と述べた。公明党の神崎代表が19日の記者会見で「もっと大局観に立った行動をしてもらいたい」と批判したのに反論した。首相は「総理大臣の職務として…

ゴジラと英霊

靖国神社に祀られる戦死者の方々と「御霊信仰」とに重なる部分ありとして語られるサイトをいくつか拝見しました。なるほどそういう視点もあるでしょう。興味深く読ませていただきました。 私は、先の大戦で亡くなった兵士の方々のことを考えるとき、いつもず…

5月18日(水)付朝日新聞社説

「靖国参拝 孔子は嘆いていないか」 「どの国でも戦没者への追悼を行う気持ちを持っている。どのような追悼の仕方がいいかは、他の国が干渉すべきでない」「A級戦犯の話がたびたび論じられるが、『罪を憎んで人を憎まず』は中国の孔子の言葉だ」 小泉首相は…

罪を悪んで…

「靖国参拝 干渉すべきでない」というニュースの見出しを見て、小泉総理絡みでまた何か…と記事を読みました。NHKのニュース記事です。 この中で小泉総理大臣は、中国などが靖国神社への参拝を取り止めるよう求めていることについて、「中国からは、反省を行…

靖国問題の基礎知識5

Q 神道はシャーマニズムなの? なぜか呉善花氏の著作などではしきりに神道をシャマニズムと呼ぶ記述がされていますが、これは正しくありません。むしろよく言われたのは、神道はアニミズムであるという言説です。でも私はどちらの見方もしない方がよいと思…