喫煙に潰瘍性大腸炎のリスクを下げる効果が
http://www.ebnutr.gr.jp/1999^free^data4.htmlより
百害あって一利なしと言われ続ける喫煙に、思いもよらぬ効果があるということでびっくりしました。
人間の大腸には比較的罹患率が高く、原因の判っていない大腸炎があるとのこと。その一つが潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis, UC)です*1。
1993年のわが国の総患者推計数が34,900人。ちょっと多いとも少ないとも判断しかねますが(人口10万対で29人ほど)、数は増えて来ているらしいです。もっとも、内視鏡検査などの診断法がすすんできたために発見されるようになり、それで数が増えたのかもしれないということもあるそうで。(日本で比較的多い「乳糖不耐症」と誤診されていたこともあったようです…牛乳を飲んでおなかがゴロゴロっていうやつですか)
潰瘍性大腸炎の定義は『原因不明で、主として若い成人にみられ、繊維化や潰瘍を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり、消化管のどの部位にも起こりうる』ものだそうで、原因不明というのは不気味ですし、若い人(特に女性)に多く、経過が長期間で増悪・寛解をくり返す(つまり治り難い)ということになっていますね。
まあ症状は「下血・粘血便」ということで、悪化し易いとは言え喫煙の方のリスクと比べると、わざわざこのためにタバコをはじめようという人もいないでしょうが…
喫煙がUCに対して予防的であることはほとんど間違いないと考えられています。世界各地での症例対照研究で、例外なく喫煙者のUCリスクの低下が観察されています。ニコチンパッチを用いた無作為割付二重盲検試験でも、予防効果が示されたことより、そのメカニズムにニコチンが関与していることが考えられています。
ただ、先日人力検索でお一人で喫煙派の主張をされていた方がいらっしゃいましたが*2、あの時この事実を知っていたなら(大したことではないかもしれませんが)お教えできたのに…ちょっと残念です。だって
百害あっても一利はある
と、具体的に主張できますから。
ちなみにこの情報は、はてなでの
大腸炎とかナメたものに対抗するために、消化ヨサスなうまいものを探しています。
にちょっと興味を持って調べているうちにみつけましたが、回答は他の方におまかせします…
追加
http://d.hatena.ne.jp/keyworddiary/%c4%d9%e1%e7%c0%ad%c2%e7%c4%b2%b1%ea
なんと潰瘍性胃腸炎は「難病指定されている特定疾患」なんですか! しかも「生命保険にはいるときに、これがわかると断られる。」って…
「下血・粘血便」なんで大したことないなんて雰囲気で書いたのは取り消します。患者さんなどに申し訳なかったです。