中国のAIDS(続き)

 先日の日記に書いたものに追加します。
 読売新聞7/3の記事では、次のように書かれています。

中国のエイズ感染経路、麻薬密売ルートと一致
 急速に感染者が増える傾向にある中国のエイズは、インドシナ各国と中国国内を結ぶ交易拠点・雲南省を“拠点”とした薬物密売ルートと重なる形で感染を広げている可能性の高いことが、日本の国立感染症研究所チームによるエイズウイルス(HIV)の遺伝子分析でわかった。

 神戸市で開催中のアジア・太平洋地域エイズ国際会議で4日発表される。

 中国で最初のHIV感染の流行が明らかになったのは1989年。雲南省西部で、注射針を使い回す薬物乱用者の間で広まったとされる。その後、中国北西部の新疆ウイグル自治区や、東南部の広西チワン族自治区でも流行が確認され、感染地域が短期間で拡大した。

 感染研エイズ研究センターの武部豊室長らは、流行ルート解明のため、雲南省の感染者のHIVの遺伝子型を調べ、中国各地やタイ、インドなど周辺の国々で流行したHIVとの関係を推定した。

 その結果、雲南省西部のHIVには、88年からタイで流行した「タイ型」と、インドとタイで流行したHIVが遺伝子組み換えを起こして生まれた「混合型」があることがわかった。

 この混合型から新たに生まれたタイプが新疆ウイグル自治区に感染を広げ、やはりこの混合型から生まれた別の新タイプが広西チワン族自治区に感染を広げたことも判明した。

 この経路は、タイ、ラオスミャンマーの3国にまたがる世界最大級の麻薬生産地「ゴールデン・トライアングル(黄金の三角地帯)」で製造されるヘロインが中国国内に運ばれる密輸ルートと重なる。

 国連合同エイズ計画(UNAIDS)によると、中国国内のエイズ感染者の数は84万人に上り、このまま放置すると2010年には、1000万人に膨れあがると見られている。

 武部室長は「雲南省ミャンマーは、様々なHIVが存在する『HIVのるつぼ』。新たな流行株が出現し、治療薬が効かない恐れもあり、十分な警戒が必要」と指摘している。


 そして天漢日乗さんでもこの記事がとりあげられ、

いいですか、日本の近所に
 HIVの実験場がある 
ってことですぜ。
かつ、
雲南省新疆ウイグル自治区広西チワン族自治区とくれば、これは少数民族居住地域なので、貧乏で、かつ非漢族なわけだから、中央政府が積極的に援助するわけがないじゃん。形を変えた
 民族浄化
を密かに狙ってる可能性だってある。どうせ少数民族を買春するような腐敗分子はHIV感染だろうが、麻薬中毒だろうが、死んでも構わんと思ってるだろうからな。

というわけで、中国政府は
 感染爆発がシャレにならなくなるまで、事態を放置する可能性 
がある。

 と、悲観的な予想をなさっておられます。(太字は引用者)


 AIDS問題に関しては「自分の頭の上の蝿を追え」という意見があるのも知っていますし、それに一定の理もあるでしょう。しかし中国でのHIVの問題はもしかしたら人権問題でもありますし、今の中国政府の姿勢に無関心でいていいことなのでしょうか?
 各々が各々の責任を果たす世界、というのはあくまで理想であって、内政干渉せよとまでは申しませんが、何か動きがあればすぐ声をあげる準備は絶対に必要だと感じます。
 というわけで、私も中国ワッチを続けますが、何らかの行動を「世界市民を理想とするような方々」に望みたいですね。「他人様のことだから何も言わない」というのは、少なくともリベラルな方々のやることではないでしょうし、人権問題の可能性もありますから。