アエンマ橋の悲劇

 イラク:自爆テロうわさでパニック 橋に殺到816人死亡

 バグダッド北部で31日、自爆テロのうわさでパニック状態になったイスラムシーア派巡礼者らが橋に殺到、多数の巡礼者が折り重なるようにしてチグリス川に転落した。AFP通信によると、治安当局者は、少なくとも816人が死亡し、負傷者は323人に上ったと述べた。一方、ロイター通信によると、保健省高官は死者が1000人に上るとの見方を示した。死者の多くは女性や子供。イラクでは、テロや戦闘による死傷者が相次ぎ、シーア派の巡礼者を狙う事件も多発しているが、今回の惨事はイラク戦争後、最大の規模となった。ジャビル内相は「テロリストが自爆テロのうわさを流した」と、混乱が意図的に起こされたとの見方を示した。(中略)


 事故が起きたアエンマ橋は、バグダッドを縦断するチグリス川に架かる橋で、市中心部から同地区への入り口になるため、大勢の巡礼者が集まっていた。ロイター通信によると、突然、数百人が走り出して押し合いとなった。群衆の下敷きになった犠牲者も多数に上る模様で、同通信は内務省筋の話として、死者の大半は水死か圧死と伝えた。


 移行政府のジャファリ首相は、犠牲者を悼むため3日間の服喪を発表した。
 (毎日新聞

 ちょうどシーア派について書いていただけに、一層悲しくなってしまう出来事です。アラブだから、イスラムだから彼らは一体であるかのような評もそこここで見受けられますが、こういう宗教の分派に関わるものではむしろ骨肉の争いの方が根深く深刻なのだと思います。
 犠牲者の魂が平安でありますよう。