風情

 李登輝氏、4月訪日に意欲 桜の季節「奥の細道」に/東京へも

 【台北=河崎真澄】台湾の前総統である李登輝氏(82)は一日、台北市内で産経新聞などとの会見に応じ、第三次小泉改造内閣の発足について、「党内の派閥政治が終焉(しゅうえん)し国益中心の組閣となった」と評価した。麻生太郎氏の外相起用にも触れ、「強い外相になるだろう」と述べ、日本の独自外交の展開に期待感を表明した。自身の再訪日については、「来年四月に『奥の細道』を必ず歩きたい」と話した。
(中略)
 五年前の総統退任後、初の家族旅行として昨年暮れから今年初めまで訪日している李氏は、「家内に来年の四月には(念願の)『奥の細道』を必ず歩こうと話した」と明かし、サクラの開花時期に合わせて東北地方を訪れる希望を表明した。
 訪日目的として、「夕焼け小焼けの童謡にあるような人間と自然が溶け合う日本人の持つ情緒的ないい面は他国にないことであり、(李氏が『奥の細道』で芭蕉について語ることなどで)日本人に改めて良さを知ってもらいたい」と話した。
(中略)
 日本政府は九月、台湾旅券保持の旅行者への九十日間の査証免除措置を恒久化したものの、李氏の入国については、日台間の事前協議の対象としている。李氏訪日には中国が強硬に反発しており、李氏は、小泉政権に強い外交姿勢で独自判断するよう求めた形だ。
産経新聞) - 11月2日2時42分更新


  お参りと春の花見が政治課題


 なんとも情緒豊かな外交課題が一つ増えましたね。象徴は多義なものですから、そこに意味を与えない人から見ると「何言ってるの?」と見えるのは仕方がないこと(笑)神社の参拝とか老大人の花見紀行とか、そういう風情ありげな行為が、中国側が日本に憂慮する最大の懸案となっているだなんて、見方を変えれば俳味が感じられてほのぼのと味わい深いものがあります。


「親台湾、反中国」 台湾各紙、内閣改造を分析

 1日付の台湾各紙は、第3次小泉改造内閣の閣僚17人のうち麻生太郎外相中川昭一農相ら過半数が、超党派の親台湾派議員でつくる「日華関係議員懇談会」のメンバーである点に注目し「親台湾、反中国の色彩が強い」(中国時報)などと分析した。
(後略)

 最初の記事でも「李氏は、麻生、中川昭一小池百合子安倍晋三額賀福志郎与謝野馨という入閣組の六氏に祝電を送ったことも明らかにした。いずれも李氏とは旧知の仲という。」という一節が入っておりましたので、普通に考えれば李氏の来日は堅いところではないかと思います。
 私も個人的に数年かけて芭蕉庵あたりから東北、新潟、富山、福井そして岐阜の大垣と廻ったことがありますが、ぜひ今回はその良さを知る李登輝さんにおいでいただきたいと願っています。


 麻生新外相と新しい小泉内閣の最初の大きな外交課題に対する対処の仕方を「風情」を感じつつ見守りたいと思います。

追記

 この件に関しましては中国ワッチャーの方々の情報で、中国政府筋は全然取り上げていない(振りをしている)ようであるとのこと。aquarellisuteさん@中国という隣人の「李登輝訪日も国家機密化か」や、御家人さん@日々是チナヲチの「ファンタジスタ」をご覧ください。
 大陸の方では、へたにおおごとにしない方針なんでしょうか? それこそ文句を言っても無視されそうですしね。