大峰山補遺

 nucさん@白のカピバラの逆極限の昨日の記事(こちら)で、大峰山に登りたいという方に分があるという議論があり、そこにもコメントで書かせていただいたのですが、同じものをここに追記しておきます

大峰山は女性も登れますよ。というか、今大峰山と言われているのは連峰の最高峰である八経ケ岳(八剣山)で、「山と渓谷社」が、日本百名山のガイドブックにここを載せて以来、百名山病にかかった重症患者(尊称)たちは男女を問わず登っています。女人禁制なのは連峰のうち山上ヶ岳(1719m)だけで、ここが修験の道場の中心とみなされているわけです。またバランスを取るつもりか女人大峰という呼び名の稲村ヶ岳(1726m)などもありますし、山上ヶ岳に拘らないのであれば今までだって棲み分けはできていたんですよ。議論というか発想が逆転していたのが今回の問題で、登りたい>登れない>問題だという素直なものというよりは、あそこに登れない>登ってやろう>問題提起だというようなことさら騒ぎをつくろうとした向きを感じてしまうわけです。

 ですから、発想の最初が「大峰山に登りたい」ではなくて、宗教的タブーを破ってやりたいということにあったのではないかと…。広い大峰山系がすべて女性を排除しているとかいう話では全くありません。わずか一箇所だけ今なお女人禁制を唱える峰があり、そこに強行登山した方がいるということなのですよ。


 ちょっとフェアに追記しておきますと、かつては確かに大峰山といえば山上ヶ岳(旧名金峰山)を指すものでした。だから今回のニュースでも「女人禁制の大峰山」という表現がなされるわけです。でも今までも多くの女性登山者の中から「それでも山上ヶ岳に登らせろ」という声があがっていたわけではありません。

追記

 グーグル・マップで見る大峰山(こちら)

 中央上の方に「山上ケ岳」、中央下の方に「八経ケ岳」が見られます。この地図を拡大していくと、このあたりの大体の位置関係がわかると思います。女人禁制をうたうのは「山上ケ岳」だけです。