はやぶさのいちばん長い日

 とても感動的な文です。あの着陸の日の管制側からの視点をもとにしたものです。
(2005年11月27日 JAXA宇宙科学研究本部 対外協力室長 的川泰宣氏)


 「はやぶさ」のいちばん長い日


「チーム」は、降りていく先が先日の88万人のターゲットマーカーを着地させたところと非常に近いことに気づいていました。ここでもう一つターゲットマーカーを落とすと、フラッシュランプを浴びせたときに複数の「ターゲット」を認識して混乱するのではないか。しかも先日のオペレーションで得た自信は、「ターゲットマーカーなしでもある程度の横方向の誘導はできるのではないか」と囁いていました。実はイトカワの地面から、88万人の声が「私がここにいれば大丈夫。安心して降りていらっしゃい」と語りかけていたのかもしれませんね。と言うと、これはちょっと詩的過ぎますが……。



リハーサル2回プラス1回、タッチダウン2回という経験は、何物にも換えられない実践的収穫でした。リアクション・ホイール2基の故障を受けての苦闘の中で、リハーサルで数センチの制御をしていたチームは、本番ではまさしく数ミリの制御をしていました。それを日常運用のように遂行している運用室の若者たちを見ながら、私は確かに今、このグループが新しい時代を切り拓きつつあることを感じました。

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