浸透圧

 今年の正月は数の子の塩抜きに失敗したわけですが…悔いが残ります。数の子の塩をまず抜きすぎてしまいました。濃い目の食塩水で戻し直せばよかったのに、カバーするつもりで濃い目の漬け汁にいきなり浸したので、結果真っ黒に煮染まってしまったのですが何か? もちろん食べましたけど。


 塩抜きに失敗したのも、そのからい数の子を食べて水をがぶがぶ飲まざるを得なかったのも、すべて浸透圧の責任です!


 せめて生理食塩水程度の濃度に抑えれば(数の子はまずくても)水をがぶ飲みせずに済んだはず。
 ということでふと、わりに最近だと思いますがネットだかテレビだかでいざという時に海水を安全に飲める方法というのを聞いたことを思い出しました。細かい内容は覚えてませんし、ソースも思い出せないほどです。けれども気になって、何とか自分で考えてみようと…。


 海上を漂流するようなことになった場合、周囲は全部海水という名の水ですが、それを飲めば死ぬ…というのはわりに常識になっているのではないでしょうか。
 これまた浸透圧という奴の責任でして、海水の塩分濃度は32から35‰、これに対して人間の血液の塩分濃度はほぼ0.9%(つまり9‰)ですから、海水をがぶがぶ飲めばどんどんその海水に体内の水が奪われて、濃度が上がった体液はどろどろ状態になり結果死んでしまいます。
(だから醤油やソース、塩入のトマトジュースなどを一定量がぶ飲みしても人は死にます。とは言え普通に飲めるぐらいの量では死んだりしませんけど。確か醤油を一升(1.8l)飲めば自殺できるという都市伝説?もあったはず)


 1リットル(1000ml)の生理食塩水があったとすれば、その塩分量は1000*0.9/100=9gです。この9gの塩分に相当する海水の量は9/3.5*100=257ml。ですからその海水に真水(1000-257=)743mlを加えてやれば生理食塩水とほぼ同じ濃度になりますから、少なくとも飲んで死ぬことはないということになりますね。


 結論。海を漂流するとき少しでも真水の持ち合わせがあるならば、三倍量の真水を用いて薄めた海水ならば飲めるので、その割合(以上)の水で海水をのばし、少しでも長く飲めるようにすることができる。
 ということを、確かわたしは聞いていたのだと思います。何かの足しになることは稀でしょうが、ここまで考えて自分としては非常にすっきりです(笑)