10年前

 昨日は久しぶりに入れ込んで創作物を読んだ所為か、夜になってもなんだか書きたいという衝動に駆られていましたが、今日はその反動でだるだるでした。昨日のうちに調べたものなどもありましたが、朝になってみるとちょっと色褪せた感じで、とりあえずお蔵に納めて…
 その昨日の気分で手拍子に大石英司氏のブログにトラックバックを送らせていただきましたが(普通のテンションならば記事にはしてもTBはしなかったかと。失礼なものではなかったと思います…)、そういえばと大石氏の原作による『神はサイコロを振らない』(日テレ)を第一話、第二話と続けて今日視聴しました。
 HDDにテレビ録画をするようになって(最初購入したのは東芝RD-X2でした)、VTRの時よりも手軽に撮れるのがとても便利です。でも反面、撮ったものを見ないで溜めておく、あるいは見ぬままにDVDにして保存してしまう率はかなり高くなってしまっています。気軽にほいほい録画するわりに、それを見る時間を作る方が大変なのだと実感です。今の機種はチューナー二つですので、テレビの生視聴と合わせて場合によっては同時間に三番組キャッチできることになり、欲をかけば結局リアルな感動を受ける機会がかえって少なくなるなあと…


 さて『神サイ』、なかなか良い出来だとおもしろく視聴できました。なんと言っても小林聡美ですね。抑えてはいるようですが、この方は達者な方です。三話以降も続けて見たいとほんとに思いました。
 このドラマでは10年前の双発の小型機が時を超えて2006年に現れますが、この10年のギャップというものが一つの軸なのでしょう。10年前の世相の描写などがそれなりに頻出します。


 ただ、この10年というものは私にとってはわりに重くないですね。と言いますか、私にとっては思い起こされる過去はむしろ20年前あたり。その頃のことが過去を振り返ると真っ先に出てくるものです。恥を言うようですが、ここ10年はわんこのことを除けば酔生夢死の中にあったのではと思うくらい不甲斐ないものだったような気がいたします。その間に職にもついたりしてはおりますが、どちらかと言えば淡々と時は過ぎ、振り返れば目立った記憶(顔が赤くなるほどの恥ずかしさ、我を忘れる怒り、身をふるわせる悲しさ、天にも昇る喜び…)は出て参りません(あるには少しありましたが、どうも薄かったようです…)。


 直近の10年の前の10年で、いろいろ燃え尽きたところがあったのかなと、そういう感じですね。だからこそ20年前が懐かしいです。幸か不幸か私はバブルには振り回されずに済んだので(お金はずっと無いままでしたから)風景としてのバブル期は頭にありますが、それよりやはり周囲の人との関係、一人一人の友人知人、好きだった人、嫌いだった人、そういった人との関係が何と言ってもビビッドな頃でした。
 そういう事情で「10年前のあなたは何をしていましたか」という『神サイ』のキャッチコピーは、残念ながら個人的にはあまり響いてきません(それでも面白いドラマとは思います)。


 そうそう、ドラマには小林聡美の他に尾美としのりも出ていまして、この二人でまず浮かぶのは『転校生』(1982)でしょう。尾道三部作の最初ですか。あの頃はちょっと老け顔だった小林聡美、今はむしろ歳より若い感じがします(笑)これは私の「20年前」の範疇です。


 20年の歳月に変わった方も多いです。先日NHKにんげんドキュメント小田和正氏の今を撮った番組がありましたが、これはもうすっかり…という感じでちょっと泣けました。思えばオフコースの解散後、しばらくしてふと聞いたFMで「小田和正の真似」をしているような歌声を聞き、所詮はエピゴーネンと冷笑していたらそれが当の小田さんで、何だか複雑な気分になってしまって以来私はあまり彼のことを追いませんでしたから…。


 十年一昔と申しますが、私にはこの十年があまり昔に思えないです。でもその分だけ懐かしさも薄いものです。これからの十年どうなっていくのか、というより私がどうしようとするのかが問題ですね。このまま淡く生きていっても良いのですが、わんこのことを含めそろそろ周囲が動くのかもしれません。
 そんなこんなで、結局キャッチに動かされているのですが(笑)来し方行く末を少し考えた日曜でした。