差別主義?

 ちょっと昔書いたことをサルベージ

 数年前から「差別主義者」という言葉をネットで聞くようになり、それ以来妙にひっかかる言葉だなと思っていました。まず「主義主張で差別する」ってどういうことなのかイメージできなかったからです。


 身の回りの者を無差別に差別する、そういう唯我独尊の人が本当にいるのかな、なんて見当違いのことも考えてしまいましたが、あまりにもよくこの言葉は聞かれました。自分のうちではこれを「差別者」と変換して読むようにしてはおりました。


 その後、ああこれ(差別主義)はracismの訳語表現で、(差別主義者とは)racistのことを言っていたのかとようやく腑に落ちましたが、それにしても何か妙な感じがしないでしょうか?


 私は何でレイシズムが差別主義なんだ?と今でも思います。


 差別主義という差別が目的なものがあるわけではないでしょう。差別は、racismの結果として(場合によって)現れるものです。差別主義などという言葉は日本語としてとても座りが悪いように思えます。
 

 -ismを機械的に「−主義」と訳すのであれば、racismは民族主義・人種主義・自民族中心主義(ethno-centrism, race-centrism)とする方が意味がきちんと通じるでしょう。


 これは自分の属する人種や民族が他に優越していると考えるもので、しばしば異人種や異民族を劣ったものとして差別・排斥することにもつながる考え方です。(ただracismには民族的伝統などというポジティブな意味すらあるみたいですね)


 自分の民族は優秀であると無根拠に主張する、そういうレイシストもごめんですが…。
(※一部括弧で言葉を補いました)

 主張はどうあれ、「差別主義者」という悪意のラベリングをする人はどうかと思いますし、日本語感覚に欠けた感じがどうしてもしてしまいます。
 

 差別が目的である人なんていないのではないでしょうか?