支援者と代弁者

 ある人たちを支援するという立場とある人たちを代弁するという立場、これには差があると私は考えます。
 支援するという行為は、自分はその支援したい人と立場が違うんだという認識をしっかり持ち、そこでできる限りのことをしようというものではないかと思います。参加型の政治的な運動にせよ、この範囲でこそ有効に人々を募ることができるのではないかと見えるのです。
 それに対して代弁者となる行為は、いつの間にか支援したい人たちとの垣根を忘れてしまうことにつながります。これはひたすらエスカレートせざるを得ない方向です。ホームレス支援の学生が、大学を辞め、自ら公園に住むといった例も聞いたことがありますが、これは偽物のホームレスでしかありません。どれだけ支援者の中で「義」とされようとも、それはある意味自己満足でしょう。なりたくてホームレスをやっている人はいないはずですから、そこに敢えて飛び込んだ人はどうしても同じ境位に至ることはできないのです。


 代弁者になってしまうのは人情としてわかりますが、それを行ってしまうと結局自分が支援したい人の「立場」「正義」等々を勝手に自分のものとしてしまうことになります。
 あくまで「憑依」ではなく「理解」と「共感」が望ましいと思うのです。