右翼・左翼

 id:sinnichiroinabaさんの「インタラクティヴ読書ノート別館の別館」のこちらの記事(左翼・右翼・保守主義)で紹介されている 田島正樹『読む哲学事典』(講談社現代新書は面白そうですね。
 孫引きですが、

ここで、祖国が直面する危機を、その政治的共同体内部の問題として捉え、それ自身を、常に潜在的に亀裂や対立を内包するものと見る立場を、左翼という。それに対し、祖国そのものは元来分裂を含まぬ統一体であるとみなし、それゆえ、祖国の危機はもっぱら外からのもの、外敵によると見る立場を、右翼という。
(中略)
したがって、左翼と右翼が対立していると見る立場は、実はもっぱら左翼の見方であり、右翼は自分を右翼とは認めない。彼らは、自らを国民の立場、または中道と主張するのであり、国民は本来、みな和して一体であり、それでもあえて対立する者たちは、敵にそそのかされ、操られた非国民と見なすのである。
(「保守主義と左翼」の項)

 歴史的意味はちょっとおいておいて、こういうふうに作業仮説的に定義し直すのは刺激的な試みのように思います。
(詳しくはsinnichiroinabaさんの同記事へ)