飲み屋の駐車場

 関東某県に90年代の初めに引越してきた時、驚いたことの一つがこの「お酒を飲ませる店が持つ広い駐車場」というものでした。これは何?と周囲に聞いても、皆薄く笑いながら「車がないと生活できないから」とか何とか言うだけでしたが、やはり学生・社会人を問わず結構飲みにいくのに車が使われているのがすぐわかりました。
 越して最初のうち私は車を持たずに自転車だけで生活していたのですが、公共交通が1時間にバス1本というレベルの田舎では(私の住んだあたりはこれよりましでしたが、実際これ以下のところの方が多いということもよくあります)本当に車無しの生活がほとほと不便なものだと実感しました。


 もちろん便利だからと車で飲みにいくのは論外でしょうし、実際飲酒運転の事故の報道も多く、最近では代行車が増えてきてかつてよりはいくらかましな状況になってきていると思います。でもこの状況では基本的に家で飲むのでなければ友人とお酒を飲むというのが非常に難しい、あるいは高くつくのは避けられないのです。自転車で飲みにいったりしていた私も、結局は(自転車も軽車両ですから)酒気帯びの違反をしていたことになるわけですね(>もうしてません。ごめんなさい)。
 今年あたりプライベートで友人・知人と「お酒を飲みにでた」のは1回しかありません。その時は代行車を予約して使いました。もちろん電車で遠出して宴会に参加とか泊りがけで家で…とかいうのはあるのですが、帰りにどこかで同僚と…というのは皆無ですね。ここらへんのイメージは、公共交通手段がいっぱいある辺りの方々にはよくわからないのかもしれません。


 毎日新聞の報道で、救命センター:搬送時間、都道府県で最大格差6倍というものがありましたが、この問題と「田舎での酒気帯び運転の多さ」もやはり遠くつながるところがあるとも思えます。

 重篤なけが・急病人の受け入れ先となる各地の救命救急センター(3次救急機関)への搬送時間が、都道府県によって最大で6倍も差があることが、国際医療福祉大(栃木県大田原市)の河口洋行助教授らの調査で分かった。重病者の救命救急には少しでも速い搬送が不可欠とされるが、長崎、鹿児島、青森、秋田の4県では、60分以内にセンターに運べる住民数が県民の半数以下にとどまるとの結果になった。専門家は地域間格差の解消に、国全体で取り組むことの必要性を指摘している。(後略)
毎日新聞 2006年9月12日 3時00分)

 「救命救急」に関しては国の何らかの方策が必要と考えますが、「お酒を飲みに出る」ことについてはさすがにそれを要求するのはちょっと(笑)取りあえず今のところは、田舎暮らしのコストとしてそれを考えるしかないのではないかと思いますけどね。それにしてもお酒好きにはちょっと痛いです(慣れましたが)。


 (※ただ、もしかしたらこれが「非婚」「少子化」とどこかで関係するとすれば、国に要求してみるべきでしょうか 笑)