小泉総理のインタビュー

 小泉首相の最後の会見の様子をテレビで拝見しました。最後まで「らしい」会見でしたね。功罪両面それなりにあったでしょうが、何だかんだ言って最後まで支持率を維持したのは立派です。その意味では民意に相当応えた総理大臣だったと言えると思いますし、少なくとも支持層は「功」の方が大きかったと判断しているでしょう。メディアや批評家の批判が正しかったのか、それとも彼を支持した人々の声が正しかったのか、それは小泉氏のいうように「後でわかる」ことですから…。


 素人考えではありますが、私は景気低迷や雇用の不安定を小泉氏の政策に帰すのは間違いだと考えますし、また同時に景気浮揚や経済成長を小泉氏の改革路線の功にするのも正しくないように思っています。
 小泉氏の最大の功績、支持された理由は、まずアンシャン・レジームとしての政・官に対して何事か仕掛け、それが彼らに安穏としてられない状況を作ったこと。また北朝鮮訪問のような果断な行動をとり、(あるいは運良く)何がしかの成果を得たこと。そして最終的には、反対や批判に対して意見・方針がぶれないリーダー像を堅持したことにあるように思います。
 ワンフレーズ・ポリティクスだなんだと批難されましたが、結局不況の後遺症にもやもやしていた人々が、明快なリーダー像を求め、わかりやすい方針とその説明を求め、そして今までのうのうとしていた(ように感じられた)人々、構造に対して変革を求めていたというそのニーズに応えたというのが、氏の最大の成功要因だったのだと考えます。小泉氏は不世出の政治家ではなかったかと思いますが、つまるところ時代が彼を後押ししたからこその成功だったと感じるのです。


 昔の映像を見るにつけ、髪が白くなり見栄を切るような声もだせなくなってきたなあとちょっと思えます。この五年半が相当小泉氏を消耗させたのは確かです。今はただ、お疲れ様でしたと言うばかりです。