日中貿易戦争？　松茸はごくたまにでいいです

　贅沢な食事はたまにしたくなりますが一人暮らしということもあり、結局あまり食事・食材にお金をかけることはしません。友人知人と一緒なら、財布は結構緩むのですが。
　旬のものを食すというのはなかなかいいものです。でも無理してあれもこれもと購うほどのこともないと思っています。今の時期はいろいろな秋の味覚が出回っていて、たとえば秋刀魚は豊漁で安くなっていますし、これに酢橘などを合わせて買ってもほどほどのお値段でしかないです。栗は知人で拾われる方がいておすそ分けしていただければ只ですし、銀杏は自分でも拾えます。
　いろいろ鍋に入れる野菜も旬でこそお安くなるものですし、きのこ類が食べたければ市場でそれなりのお値段で買えます。何も「松茸」に拘る必要はないですね。今年も自分では買わないでしょうし、料理屋でいただく機会ももしかしたらないかもしれません。特に強い思い入れがあるわけでもないですから。で、
中国産マツタケ、基準値超す除草剤…厚労省が検査命令

　中国産のマツタケから、残留基準値を超える除草剤が相次いで検出され、厚生労働省は２９日、中国産のマツタケや加工品を輸入する業者に対し、食品衛生法に基づく検査命令を出した。

　輸入業者は今後、同省の登録検査機関にマツタケを持ち込み、基準値以下でないと輸入できない。

　同省によると、検出されたのはアニリド系除草剤の「アセトクロール」（残留基準値0.01ppm）。（後略）
（読売新聞） - 9月30日3時5分更新

　こういう記事があっても、それで松茸のお値段がどうなるということにはいらぬ心配をせずに済むのですが、なぜか日本のメディアでは誰も殊更に言おうとしない視点、日中の鞘当て…みたいなことを朝鮮日報が書いていました。
日中貿易戦争、「中国産マツタケ」に飛び火

　農産物と食品検疫をめぐる「日中貿易戦争」が拡大している。先月、中国当局が日本産SK-2化粧品から重金属を検出した事実を公表すると、今度は日本が中国産輸入マツタケから残留農薬が超過検出されたとし、一斉検査を指示した。

　日本の厚生労働省は先月15日、日本の関西空港検疫所で搬入待機中だった中国産マツタケからアセトクロール系除草剤の成分が日本の残留農薬基準（0.01ppm）69倍の0.69ppm検出されたと香港メディアが1日、伝えた。

　先月25日にも、中国産マツタケから0.04ppmの除草剤成分が2度にわたり検出され、安全基準を超過した中国産マツタケは計126キロになった。

　日本政府は関連法に従い、中国産マツタケを輸入する日本の輸入業者と加工業者に対し、一斉検査命令を出し、市場でも販売禁止措置を取った。今後、中国産マツタケは検疫当局の検査を受けないと輸入ができない。

　日本は最近、300トン余りのマツタケを輸入しているが、このうち半数以上が中国産だ。先月末に収穫期を終えた中国産マツタケは今回の日本の検査命令により、輸出への打撃が予想される。

　中国と日本は最近、検疫機関を通じ、相手国の輸出品が自国の安全基準に合わないという理由で輸入禁止措置を取り、神経戦を繰り広げている。これまでに日本産化粧品と魚肉スープ、すし、冷凍イカと中国産ウナギ、ハクサイ、はちみつが対象となった。

　両国の貿易問題は5月末、日本が輸入農産物検疫基準を大幅強化し、中国との検疫摩擦が起こって以来、本格化している。（後略）
（朝鮮日報日本語版　10月2日）

　こういう視点が的を射ているのか、あるいは中国側の一人相撲ということならあるのか、判断を下せるほど私は情報を持っておりませんので「もしかしたらそういうこともあるかな」ぐらいで記事を読んでいます。　本当はどうなのでしょう。

　輸入の安い食材が多く出回るのは、消費者としては選択の幅が広がるというところからは良いことではないかと思いますが、それらのうちのいくつかの危険性が伝えられるならばややお高い日本産を選ぶということでも構いませんし、実際そうやって選択しているものも結構あります。それは自分の判断で行うことですし、たとえば松茸が国産で高価すぎるとかなら買わないですませて何の問題もありません。

　できるだけ安全に（といいますか安心して）、そしてリーズナブルに食を愉しむのに、今の日本では大して苦労はいらないようにも感じます。ありがたいことです。情報さえ出てくれば、それは自分である程度決められるものでしょう。
　たとえばアメリカ憎しなら殊更アメリカ産牛肉の危険性を言うとか、たとえば中国嫌いなら殊更中国産品の危なさをいうとか、意識的にか無意識にかそういったことをやるのではなく、冷静に判断できるような情報をメディアは流して欲しいですね。そこらへんのバイアスは、今やそこそこ皆さんわかるようにもなっていると思いますし、情報さえ出てくればむやみに政府を責めるよりも自分で判断してできると考えますから。

　とにかく、今年も機会がなければ松茸は食べなくてもいいです。おいしいものはたくさんありますから。