北朝鮮が核実験をした(らしい)というニュースは、比較的冷静に受け止められていると感じます。成功だったにせよ、あまりうまくいかなかったにせよ、これは核実験宣言なんかした時から他国は織り込み済みだったんじゃないかなと思ってしまうのです。
 北朝鮮は勢いでここまで進んでしまったものの、やってみたら手詰まりだったということになるかもしれないですね。今あの国が核兵器を少々持ったからといって、冷静に考えてみるとそれでどうやって実益を得ることができるでしょう?
 むしろ実益ならば、持つぞ持つぞ実験するぞと得体のしれない様子を見せながら、六カ国協議でうまく立ち回るとかした方が得られただろうことは明らかではないかと見えます。あのぐらいの小国が、攻撃的な核の使い方をして成果を挙げるなどということは想像できません。窮鼠猫を噛むぞ、と最後の防衛としてはそれなりに意味はありましょうが、誰も積極的に攻撃しなくても待っていれば崩壊しそうな国情を見透かされている国にとって核兵器は豚に真珠としか思えません。


 六カ国協議あたりで成果を挙げるまで待てないほど余裕がなかったと、そう判断もしたくなりますね。正体見たり枯尾花という感じで、実際に核を持ったところを小さな不安定な国が見せびらかしてみせる様子をみますと、「なんだしょぼい」と思われるのが関の山だったんじゃないでしょうか。
 不安は、あくまでも正体が見えないところで相手に持たせるもので、ただ単にスプラッタで血がどばどばなB級映画で怖がる人はそうはいないものでしょう。結局は威張りたい、強く見せたいという虚勢が、本当に有効な手札を失わせたのではないかと思えます。壮大な勘違いだったのかもしれません。


 すでにこれで北朝鮮は俎板の鯉化しているような気もします。もはや成功を得るためのわらしべはただのわらしべになってしまいました。日が経つにつれ、それはどんどん明白になってくるでしょう。