韓国の元大統領

崔圭夏元大統領が死去、自宅で意識失い倒れる

【ソウル22日聯合】崔圭夏(チェ・ギュハ)元大統領が22日に死去した。88歳だった。崔元大統領は同日午前6時ごろ、自宅で意識を失って倒れているのが見つかり、ソウル大病院に移送したが、午前7時37分に息を引き取った。死因は確認されていないが、老衰によるものとみられる。
 崔元大統領は江原道原州出身、旧京城第一高等普通学校、東京高等師範学校卒。外務次官、外務長官、駐日代表部総領事、第4回韓日会談代表、駐日公使、首相などを歴任、1979年10月の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領暗殺にともない大統領代行となり、同年12月に正式に大統領に就任した。しかし全斗煥(チョン・ドゥファン)氏による粛軍クーデターにより失脚し、翌1980年8月に退任した。大統領在任期間は8カ月にとどまった。
聯合ニュース 2006/10/22 09:36)

 記事にあるように、朴大統領が暗殺された直後に国務総理であったため大統領権限代行に就任し、40日後に第十代大統領に就任した崔圭夏氏が亡くなりました。寂しい晩年であったようです。ご冥福を祈ります。
 朴大統領は側近に日本人脈・満州人脈を多用していましたがこの崔氏もその中の一人で、東京高師の英文科(現在の筑波大学)を1941年に卒業、後に満州の大同学院(官吏養成校)を出て、戦後韓国の官僚として(後半は専ら外交畑を)歩んできた人でした。大統領就任時60歳。


 崔大統領時代は与党弱体化のうえ野党の協力も得られず、何より軍部(特に嶺南軍閥)の政権奪取の策動に対抗できず、結局光州事件(1980年5月27日)の弾圧後の混乱で下野。その後を全斗煥少将が襲うという具合になってしまって、日本ではほとんど名も記憶に留められていないという感じでした。
 戦前戦中に日本で学んだ人々が、どんどんいなくなっていきますね。


 このニュースに接し、中公新書の『韓国大統領列伝』(池東旭著)を書棚から取り、一気にまた読み返してしまいました。何とも興味深い乱世がほんの先ごろまで韓国にあったという普段忘れそうなことを改めて思い返した次第です。


 そこからのトリビア。前韓国大統領金大中(DJ)氏はカトリックで、洗礼名はトマス・モアだとか。彼もまだいろいろ政治的な発言があるようですが、それこそ刑場の露と消えぬよう、ほどほどにしておかれるよう老婆心ながら思います。