ちょっと興味深い記事

韓国時代劇の史実無視を学界が指摘 演出? それとも歪曲?

 「朱蒙チュモン)と召西奴(ソソノ)、帯素(テソ)の三角関係は成立しない」


 「高句麗滅亡直後、薛仁貴(ソル・イングィ)は遼東地域にはいなかった」


 『朱蒙』『淵蓋蘇文(ヨンゲソムン)』『大祚栄(テジョヨン)』など、テレビで放送されている高句麗関連の時代劇の内容が、多くの部分で歴史的事実と食い違っているという指摘が学界から正式に提起された。これは、高句麗研究会(韓圭哲〈ハン・ギュチョル〉会長)の主催で今月19日、ソウル大宇財団ビルで開かれる「歴史と高句麗渤海ドラマ」学術セミナーの発表文を通じて指摘されたもの。
(中略)
 さらに、SBSドラマ『淵蓋蘇文』についても、ウリ歴史文化研究所のキム・ヨンマン所長は、▲淵蓋蘇文(ユ・ドングン〈演〉)に会ったこともない隋の煬帝(キム・ガプス〈演〉)を第3回から第54回までドラマの主人公として扱い、ドラマのアイデンティティーを台無しにし、▲630年に京観(対隋戦勝記念塚)を破壊した事件と642年に淵蓋蘇文が起こしたクーデターが同時期に起こったかのように描かれるなど、時間軸の混線も深刻だったと指摘した。
朝鮮日報日本語版)

 まあ本来そこまで気にしなくても…フィクションだってわかっていれば…
 とは思いますが、半島の人はそこらへんの虚実の在り方がわかってないなと思うこともしばしばですし、自国の学者(しかもあの韓国史学界!)がこういうことを言い出したというのは、極めて慶賀すべきことかもしれませんね。


 韓国でテレビの放映が始まってから、お手軽な歴史もののドラマには悪役としていつも日本人が出ていたように聞いております。「非道な憲兵」「日本軍の拷問」「秀吉軍の殺戮」などなどの定型パターンがあったとのこと。私は案外こうした擬似記憶が戦前を知らない世代に刷り込まれていって、それで今の韓国側の日本への無理解につながっているように感じています。そして歴史的考証の場面でも、韓国史学界がまったく学問的良心に沿っていなかったという印象もあります。


 少しずつでもこういう方向があれば、いつか(本当にいつになるかわかりませんが)共通とまでは言えなくても近い歴史認識が持てるようになるかなあと…


 ちなみに日本の時代劇だってひどいものはありますよ。よく指摘されるのは表札。武家の屋敷だって奉行所だってそういうものは無かったのですから、これでアウトになる時代劇も多いはず。まさにだからこそ切絵図(屋敷の主の姓名を書き入れた地図)とか名所図会とかが多く出されていたんですけどね。